昨日のレイクタウンSC見学後、自分の中で良い所や可能性と、どうしようもない所や組織運営上変わらないだろうと思う部分とが頭の中をぐるぐるしています。数年前だったら考えすぎでひっくり返っていたかもしれません。
イオンレイクタウンSCでは、ジャスコの面積は他のジャスコと変わらないのでしょうが間口が狭くて他の専門店並みなのです。だからこそフロアは違うけれどすぐそばにあるユニクロやライトオンと比較してみてしまったのだと思います。そしてその視点で見たときのジャスコの衣料品売り場のだめさ加減には絶句しました。アリオ川口がオープンしたときの常識を超えるひどい売り場を見たときと同じくらいショックでした。ジャスコの衣料品売り場はごみの山のようだ。これだけ無駄な商品作っていれば売り上げも利益も上がらないのは当然です。以前はカジュアルならばイトーヨーカドーの売り場をできる限りまねすることが、需要がしぼむ中で売り上げを落とさないための一番の方法でした。でも今はユニクロのまねをしなければだめだ。そして同じ陳列にしてみればいかに無駄な商品がおおいかがくっきりと明らかになるでしょう。総合スーパーという業態の垣根でものを見ていてはだめだということをはっきりと教えてくれたのがレイクタウンSCでした。
大昔の総合スーパーは生活の品がワンストップで揃うことが売りで、稼ぎ頭の衣料品を中心にお客さんに来てもらって食品をついでに買ってもらっていました。それが、自分が総合スーパーに勤めていたころから、食品をメインに買い物に来てもらいついでに衣料や暮らしの品もみてもらう構造に変わりました。この頃多くの店で売上高のウエイトで食品が非食品を上回るようになっていきました。同じ売り上げでも食料品と衣料品では10%以上の利益率の違いがあったので、深刻な問題と考えられ様々な衣料品てこ入れ策が考えられました。がほとんど不発に終わっています。そこで食品だけで行こうという西友みたいな会社が出たわけですが、そこではっきりしたのは食品専業スーパーはそれなりのノウハウがあって、総合スーパーが食料品だけ切り出しても明らかに力量が劣っていたことです。その中、イオンの自社ブランド「トップバリュー」中心政策は試行錯誤しつつも一定の成果を出しつつありました。そこに甘えて、非食品は小手先の対策ばかり打ってきたといえます。首脳陣は衣料の建て直しが不可欠という認識でいたのですが、総合スーパーの組織では総合マネジメント職(たとえば店長、事業部長といった感じ)にならなければ給料が増えないので、たとえば「ジャスコの衣料に生涯をかける」なんていう人はまったくいません。ユニクロにしろ西松屋にしろライトオンにしろ衣料に人生をかけている人たちがトップにいる会社・店とは意気込みがまったく違うのです。だからメディアにも「ジャスコがフリースを強化」などと取り上げられたり、大金をかけてCMを打ったりしても、現場のものづくり担当者は「小手先」でしか考えていなかった。品揃えの中の一部という認識なのです。だから色使いに工夫をした痕跡はまったくなく、「虹のようにいろいろな色を並べておけばいいや」「トップがフリースで行けというから仕方なくやりました」というのが見え見えの色使い、陳列方法、プライスになっているのです。
メインのフリースでさえこんな調子だから他の商品だって知れています。「昨年がこうだったから、今年はこう替えてみよう」、前年実績重視主義であえて冒険はしません。大失敗したら首か少なくても「早くやめろ」と言わんばかりの左遷人事になるけれど、「今年もやっぱりだめでした」といえば怒られることはあっても首になったり左遷されたりしないからです。総合スーパーの限界だと思います。
もうひとつ、1月3日になってもまだ通路にワゴンを並べて福袋をうっている鈍感さとやるきのなさです。自分が店にいた頃は2日で完売させました。越谷も含め東武伊勢崎線沿線のお客さんは中身がはっきり分かって、「どう見てもお得だ」と納得しない限り福袋は買ってくれません。ですから自分が現役だった頃は福袋売り場につきっきりで中身を全部見せて納得するまで接客をして買ってもらっていました。中身の組み合わせを入れ替えてあげることもしばしばでした。越谷ではそのくらいやらないと福袋は売れません。前橋みたいに「福袋でその年の運勢を占う」なんていう習慣がないのです。ただ積んでおいてもダメ。「福袋でこれだけの売り上げをとる」と覚悟を決めてそちらに集中しなければ。3日に売れ残っている福袋が今日4日に売れるわけがない。今日売れなかったら明日から平日なんだから二度と売れないです。あの在庫をどうするつもりなのか、自分が店長だったら担当者を問い詰めるでしょうね。
レイクタウンSCの理想的未来像を、項を改めて書きます。
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