情報のパーソナライズ
昨日、現在86歳でお元気な方とお話する機会がありました。6歳の頃は戦争中だったという話もありましたが、インパクトがあったのがこんな話。
先日平塚に用事があり、息子が伊勢原まで迎えに来るとのことで小田急に乗ろうとしたが、運行トラブルで動いていない。時間に余裕が無いのでJRに振り替えようとしたが、平塚へ行く湘南新宿ラインの電車に慌てて乗ろうとしたところ目の前で扉が閉まり行ってしまったとのこと。
ここまではよくある話。
次が30分後なので困っていると、埼京線の若い車掌が「どうしました?」と声をかけてくれたそう。「平塚まで急いでいかなければならない」という訳を話すと「この次の電車に僕は乗務します。これで行って、武蔵小杉で乗り換えれば行けるので大丈夫ですよ」とのこと。「でも武蔵小杉なんて駅降りたことないし」というと「僕が乗務するので大丈夫。その先もどうすればいいかお知らせいます」とまで言ってくれたので、その電車に乗ると、車掌さんは乗務中(停車駅が少ないのでできたと思うが)乗り換えのメモを書いて、武蔵小杉で渡してくれ、それをもとに、やや遅れたものの無事に平塚までたどり着いたとのこと。
自分はこの話を聞いて、とりあえずその車掌さんが新宿始発の相鉄線直通列車担当だったこと、武蔵小杉で同じホームにすぐ横須賀線の電車が来ること、それに乗れば戸塚でホームの向かい側に東海道線が来ることが瞬時に想像できましたが、それを粘り強く説明して無事に目的地まで案内できた車掌さんの力量に驚きました。携帯アプリでもそこまで親切に案内されるか微妙ですよね。
デジタルの情報は個別にパーソナライズされていないので、たくさんの情報は表示されるけれど、必要でない情報も表示されて混乱します。
親切な車掌さんの話は、有り余る情報の中で、いかに人間が相手に応じてパーソナライズした形で情報を伝えられるか、その可能性を示していると思いました。
(先週の冷蔵庫の買い替えの時の販売員さんも、こちらの関心に的を絞って膨大な情報をパーソナライズしてくれたから、こちらも受け入れられたと思います)
でも今年から始まる都心部も含めた電車のワンマン化の進捗で、こうしたことはできなくなるでしょう。
ご高齢の方何人かと話していたのですが、大規模に進むみどりの窓口の縮小や改札の無人化は旅行を大変苦痛なものにしているようです。新幹線のチケットは買えるが、在来線の乗り継ぎ切符が買えない(これは都内からJR西日本など別のJRに乗り継ぐときに多いらしい)とか、改札に係員がおらずモニターや電話越しのやりとりになるとか。「飛行機の方が簡単だ」という話も出ていました。
在来線の利用者が減少する背景には、この不便さもあるかなと思いました。
今度の3月ダイヤ改正で新規に無人駅になるところがいくつもあり、例えば烏山線の終点烏山駅の無人化で、起点の宝積寺駅以外、線内には駅員が全くいなくなるとか。このため券売機の撤去だけでなく、駅構内のトイレも使えなくなる。そういえば今度行く身延線の東花輪駅も以前から駅員はたった一人で、無人の時間は券売機も使えない。駅にはトイレない。自治体の公衆トイレになってます。
自分は「デジタルを学ぶ」と決めて、今の回線切り替え作業もできるだけ楽しんで取り組もうとしているけれど、ご高齢の方はできないでしょう。
良い悪いの受け止めは世代や個々人でだいぶ違うと思うけれど、変化は止まらないので対策が必要だなとは思いました。自分が勉強していることは確かに役に立つかもしれません。ささやかな知識かもしれないけれどパーソナライズして提供できるかも。今の職場でも。
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