きょうは早上がり。いつもは火曜日は疲れてしまって、帰宅後ぐたっとしてしまいます。不穏な感じがする時もありました。
でもきょうは本を読む余裕がありました。というか読まずにはいられませんでした。
この間「この本も泣けると思う」と書いた、「奇跡のりんご」を昨日から読んでいて夢中になってしまったのです。
何度も読んでいるので話は知っているのですが、前回読んでボロ泣きしたところでちょっとウルッとはしたものの泣けなくて、別のところでグッとくるものがありました。ネタバレになりますがすいません、ウルっとしたのは木村さんが首吊り自殺しようとして岩木山の森に分け入り、失敗したところで幻のりんごの木を見るところ。自分去年危ない所まで行きましたが、ここまで追い詰められていたかなと思いました。
きょうひっかかったのは、その森で見つけた答えを自分の畑のりんごの木に応用するのと同時に、木村さんが弘前の繁華街にアルバイトに行く話です。前回もここはグッと来るポイントでしたが、それが出来たのは木村さんがプライドを捨てたからだというのが今回のポイントでした。
以前から思っていましたが、自分は、働いている方には申し訳ないことに「何でこんなところで働かなければならないんだろう」と思ってしまうんです。理由はいくつかありますが、特にぐさぐさ刺さるのは店の汚なさ。裏方の汚いのもすごいですが、お客さんの入る店舗部分も汚ったない。什器と什器の間なんか真っ黒。お酒の棚は埃だらけで、先日自分が掃除したと書いたかもしれません。これだけ汚いと人の心に沁み込んでくるものがあると思います。
それと不良在庫の多さ。だからなんとかしようと思って、オリコンの中身を克明に書き出して貼っています。こんなことしている人は他所でもいるかな。「馬鹿みたい」と思いつつ、でもそこにプライドを見出しているみたいです。この間からやっている認知行動療法のアセスメントシートによる自己分析では。プライド捨てられません。プライドが捨てられないから逆に引け目にも感じやすいのでしょう。そもそも、それがプライドだって気づいていませんでした。それじゃあ苦しいですよね。
以前半年ヒカリエのお弁当屋さんで働いた時は、あそこも大変で、表は百貨店だからきれいだけど裏は機械で掃除できるところ以外は「うーん」って言う感じでした。でもプライドがどうこうということはなくて一生懸命やっていた気がします。
木村さんの場合、りんご農家なのに自分のりんご畑を無茶苦茶にしておいて、りんごで食えないから働きに出ると他人に思われるのが辛かったそうです。でも岩木山で答えを見つけたら、他人の目が気にならなくなったそうです。何かを乗り越えたんですね。プライドを捨てて、便所掃除から始めて信頼を勝ち取って、そのお店で、なくてはならない人になっちゃう。その仕事で、窮乏している家族のために絞り出すように現金収入を得るというのがグッときたところでした。
前回読んだ時はお金は何とかなっていました。今はこの仕事で得た収入が無いと暮らせない。プライドを犠牲にして生活費を絞り出す感じが響いたんだと思います。
ちなみに木村さんは冬場出稼ぎで東京と言うか川崎で働いていた時代もあるそうですが、ほとんどホームレスのような生活だったとのこと。漫画家の吾妻ひでおさんも、ホームレス生活してアル中で精神科病院入院して、それで「失踪日記」「アル中病棟」という名作漫画を描いて賞をとりました。真似できないですね。
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