現在自分がしている職場は精神科のクリニックですが、主にリワークと児童精神科が中心で統合失調症の方はほとんどいません。リワークはうつ病や適応障害で会社を休職している方々が対象ですが、自分自身が利用者として1年通い、その後もずっと見てきて、この分野には発達障害のかたがとても多いと感じるようになりました。
自分自身も検査してみて、診断はつかないけれど明らかに傾向があります。発達障がいは現在ADHD(注意欠如多動性症候群)とASD(自閉症スペクトラム障がい)LD(限局性学習障害)の3つといわれることが多いのですが、これは診断マニュアルの一つDSM5によるもので、もう一つのICD10では今でもアスペルガー障がいや高機能自閉症といった言葉も残っています。
私自身、全国の鉄道時刻表のだいたいの傾向を網羅しているばかりか、どんな車両が使われているか、どの駅はどんな構造か、あるいは高速バスや飛行機の傾向もだいたい網羅しています。だからこそ九州や北海道まで鈍行列車で旅ができるので、誰でもできるものではないことは最近分かってきました。とにかく知らないところでは地図を買って、だいたいの傾向を網羅しようとします。だから特に現代美術の作品を見るとそれを地図に見立てて何かをつかもうと勝手に頭が働き、ものすごく疲れてしまうのです。東京都現代美術館が好きだった時代もありますが、コーナーごとに休憩して頭をクールダウンさせる必要がありました。
コミュニケーション障がいとしては、言われたことを場面に応じて理解できないことがおおいです。前のスーパーの仕事はチームワークだけれども案外自分のペースで緩急つけながら進められたのであまり目立たなかったのだと思いますが、今の職場では、そういうつもりはないのに虎の尾を踏むことが多く、いらぬ叱責をくらうこともしばしば。また情報を取りすぎるので、上司の指示がほかの情報に紛れて、一度言われただけでは理解できないことも多いです。視覚的にわかりやすくしてもらわなければ無理ですが、そんな配慮はないので、自分で必死にとったメモを改めて分野別のノートにまとめなおすことでやっと理解できる、なんてことも日常的。
感覚過敏は発達障がい特有の症状ではないでしょうか。一般の人には理解不能だということもわかってきました。自分は視覚聴覚は過敏ですが、子供のころから痛みや暑さ寒さには鈍感であることは自覚していました。神経まで達した虫歯が痛くなかったこともあります。
こうした特性がありながら診断がつかない人のことを、最近は発達障害グレーゾーンと呼んだりします。
姫野桂さんの著書「発達障害グレーゾーン」は、ライターさんが取材して書いているものなので詳しい説明は少なめにして具体的な話題を多く取り上げていますが、共感するところありました。平均的な人ができる仕事量をこなそうとしたら、メモ起こしや事前準備などでほかの人より多くの作業をこなさなければならない。人一倍努力しなければならない。そういう環境の中必死で頑張っている人が多いことが分かります。だから逆を言えば、自分も努力を惜しまなければ何とかついていけるものなのかもしれません。
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