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2017/09/25

220人も解雇

岡山県で実質的に同じ法人が運営する就労支援A型の施設が、赤字を理由に220人もの障がい者に雇用打ち切り通告をして大問題になっています。

この話、地元の新聞記事を読むと、もちろん施設の運営者側に問題がありますが、それ以前に岡山県が異常だと思いました。

就労支援施設は3種類あって、就労移行、就労継続支援A型 B型と分けられます。移行は原則2年以内に就職する人が対象、B型は移行で就職できなかった人などが無期限で訓練を受ける施設で、ともに雇用契約を結ばないため賃金の保証はありません。自分が最初行った施設は工賃(時給というのは都道府県単位の最低賃金が適用されるという意味があるため、こうした障がい者施設では言い方を変えています)月1000円でした。月給が1000円ですよ!

今通っている施設は川口市のB型の中では高めの工賃なのですが、それでも埼玉県の最低賃金の3分の1くらいです。よくここにも書いていましたが、公共施設のお掃除全般からパン工房の手作りパン、印刷など様々な事業を行ってそんなものです。

岡山で問題になっている施設は全部就労継続支援A型です。これは雇用契約を結び、最低賃金以上で働く施設です。どんなに安くたって時給700円くらいは出すレベルです。なのにダイレクトメールの封入作業などの内職をしていたんだそうです。それ自分が最初に行った月給1000円と同じレベルじゃないか。そもそも給料が出せるわけないのです。

岡山県の問題は、このA型事業所の数が全国で6番目に多いということ。はっきり言ってA型で収益を出すためには、健常者と同じレベルで休まずこれる人だけで運営しなければ無理です。ひっきりなしに休む利用者がいると、その仕事は施設の職員が徹夜してでも補わなければなりません。それだけの施設が大都市以外で成り立つわけがない。障がい者支援の技術も十分にあり、かつ一般の仕事が指導できるオールマイティな職員をたくさん必要とするからです。A型施設を160個も運営できるだけの十分な人材は埼玉県にだっていません。だからA型とは言いつつ一日4時間しか働かせない施設が圧倒的なのです。それは障がい者雇用の最低ラインが週20時間だから。そして、障がい者の働いた収益では最低賃金が出せないので、本来施設の運営に充てられる補助金を賃金に充当するのです。

だから岡山県の160ものA型施設で8割が赤字運営なんだそうです。

中には行政の設立許可を得てから一人の採用者も出せないまま廃業したところも出たそうです。

B型が一番障がい者にとってはハードルが低く取りつきやすいのですが、これを増やしていくと底なしに運営費が膨らむのではないかという危惧が行政にあります。ですからB型はこれ以上増やさないという自治体が増えています。

岡山県では220人の再就職を、当の事業者に責任をもってするよう勧告したり、行政自体が就職相談会を実施したりしているそうですが、一人一人にそれぞれあった支援を必要とする障がい者がいっぺんに220人も受け入れられる施設があるわけもなく、受け入れる施設も会社も覚悟が必要です。しかも先ほど書いた通りA型施設の8割はそもそも赤字なんですから、そこに決まったとしても次に受け入れ先が廃業する可能性があり、そんなことになれば心理的ダメージが大きすぎて働く気もなくなるかもしれません。


この岡山県の話は自分がまさに当事者と同じ立場なので、目が離せません。

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