やればできるさ
「人生ここにあり」という映画のDVDを見ました。これはイタリアの映画で、原題は「やればできるさ」。イタリアは精神病院を全廃した国として知られますが、この映画はそのきっかけとなった出来事を実話をもとに作られています。ユーモアあふれ笑ってしまう場面もありますが、精神疾患への偏見や当事者の自殺、薬の多量処方の弊害など笑えない話題もたくさん含まれていて、深い内容でした。一番の感想は「これはイタリア版のべてるの家だ」というもの。
べてるで言えば向谷地さんのようなリーダーが、川村先生のような理解ある医師と共に、万年入院だった精神病患者を組織し起業を試みるのですが、やはり計画通りにものごとは進みません。しかしそこで価値観の逆転が起こって、事業がうまくまわりだすのです。べてるが昆布の袋詰め作業の下請けから始めたものの、かんしゃくを起こしたメンバーの一言で委託先から仕事を引き上げられ、それをきっかけに昆布の直販事業を立ち上げて飛躍したのとだぶります。商品価値のなかったものが一番の売りになるところもそっくりです。さらに精神科施設ではたいてい制限のある色恋沙汰もタブーでないところもべてると一緒です。
病気による障碍があってもそれぞれの人が出来る役割を分担し、お互いが無くてはならない存在になっていくところや、大事な判断はいつもメンバーの合議で決めるところなども「3度の飯よりミーティング」などのべてるの理念と重なります。
今、イタリアではこういう組織が2500もあって、3万人の精神病患者が働いているのだそうです。
とても勇気をもらえる映画でした。
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