いのちより大切なもの
「デイケアが物足りなくなった」と仕事先の施設で言ったけれど、「仕事の時間を増やすのはもうちょっと先と言われた」話を先日書きました。デイケアでその話をすると、「あちこち出かけてみるのも良いかも」と言われたので、きょうはデイケアをお休みにして午前中は川口のヒッポ講演会、午後はお茶の水へ出かけて星野富弘さんの詩画展を見に行ってきました。講演会のことは後ほどアネックスに書くことにします。
星野富弘さん、というのは名前だけは聞いたことがあったのですが、どんな方か詳しくは知りませんでした。大学を出て先生になったのに、なりたての24歳のとき事故で頚椎を損傷し、首から下の運動神経を失ってしまったそうです。そこからがすごいのですが、9年にわたる入院期間に口で絵筆をとって絵をかくことができるようになり、詩も添えて作品を作るようになったのだそうです。入院の終わり頃展覧会を開いたら、それが反響を呼んで1991年には郷里の群馬県に彼の作品を集めた美術館ができたというすごいかたです。
絵も良いのですが、詩が素敵で心を打たれました。事故にあったときはまず生き延びたいと思ったのに、生きられるけれど首から下の自由が利かないことになって、一時は死を望んだそうです。自分もその気持ち、少し分かる気がします。いろいろできた自分とできない自分を比較して「事故が無かったら」と「たら、れば」の人生を想像してしまうのです。
展覧会のタイトルは「いのちより大切なもの」。それは「いのちが一番大切だと 思っていた頃 生きるのが 苦しかった いのちより 大切なものがあると知った日 生きているのが うれしかった」という詩からとられました。
いのちが一番大切と思っていた頃、というのは自分のために人生を生きていたときということですね。そして自分以外の人のために生きるのだと思ってから楽になったということだと思います。
自分の存在が誰かを救ったり、勇気付けたりできているとしたら、自分ももっと楽に生きられるかな?そんなことを思いました。
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