« 自転車が危険 | トップページ | 冬のソナタ »

2009/09/21

こういう感じ

星野博美さんの著書「謝々!チャイニーズ」の文章をかなり長めに引用します。

「少林功夫を習いたいって?」 大学生の顔がぱっと明るくなった。 「そうなんです。僕、平譚の人間なんですけど、夏休みにこっちに戻っていて、今日初めて少林功夫を見たんです。あなたの演技に感動して・・・ぜひ習ってみたいんです」 彼は鞄を下に置き、功夫の構えの真似をした。 「君はいくつだ?」 「二一です」 「大学では何を勉強してる?」 「経済です」 「経済ねえ・・・」 雲飛は下を向いて笑い始めた。 「最近君みたいな若者が多くてね、少林寺はいまじゃあ、五〇〇〇元の学費を取って功夫を教えてるよ」 この時代、少林寺もビジネスをするというわけだ。 「五〇〇〇元!とてもそんなお金はありません」 「それでも最低五年はかかるそうだ。大学を辞めていまから習っても、終わる頃に君は二六だ。どうだい、二六になって気功団と一緒に旅でもするつもりなのか?」 大学生は口ごもった。何事も恐れず突き進む心意気は買うが、彼には自分の将来の現実性をもって考えるという習慣が欠如していた。 「それでもやるつもりなのか?」 「いや・・・ただちょっとやってみたいなって思って。五年もかかるのか・・・それは困ったな。あなたもそんなに学費を払って功夫を勉強したんですか?」 「俺が少林寺に学費を?」 雲飛は笑い出した。 「笑わせるなよ。俺は六歳の時少林寺に入れられて、二〇年間寺で暮らしたんだ。ちょっとやってみたいっていう学生とはわけが違うんだよ。わかったら帰った帰った。」

日本では「五〇〇〇元」払えてしまうために、闇雲に突き進む人が多い気がします。金になるものだから、「雲飛」のように良心的に止めてくれる人もいない。


|

« 自転車が危険 | トップページ | 冬のソナタ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 自転車が危険 | トップページ | 冬のソナタ »