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2009/07/01

性は生

「性」にまつわることは、実はそのまま「生」につながります。「生まれる」こと、「生きる」こと。

おとといの記事を読んでどんな感想をもたれたでしょうか?

自分は正直あまりいい気がしない本ですが、「セックスボランティア」(河合香織著 新潮社 2004年)は、主に身体障害をもつ人が抱えている性欲とどう向き合っているかというドキュメンタリーです。自分はこの本をうまく評価できません。そこで先日「うちのめされてしまった」米原万里さんの本、「打ちのめされるようなすごい本」から少し抜書きします。

帯に、「障害者だってやっぱり、恋愛したい。性欲ある」とある。評者が傍点(ここでは下線で表記)を施した助詞の使い方に如実に表れているように、障害者の性は長年タブーとされてきた。望ましくないもの、見ぬふりをするべきものであり続けた。著者はそんな世間の偏見と偽善に、冒頭からガツンと拳骨を喰らわせる。 「気管切開を三度も繰り返し、喉に穴をあけてそこから酸素吸入をしている」ような、重度の脳性麻痺患者である七〇歳の障害者が、「障害者年金をやりくりしたお金で、年に一回正月か誕生日に」ソープランドを訪れ、「二四時間寝ている間も離さない生命維持装置の酸素ボンベを、そのときだけは外す」という話しが出てくるのだ(中略)

主観を排した淡々とした筆致で事実を伝えると同時に、取材相手にデリケートな心の内を赤裸々に率直に語らせてしまうインタビューアーとしての力量に感心感嘆した。性行為などの下半身のセックスの問題から、人と人との親密性や生き方としてのセクシャリティーの問題に掘り下げていく手並みも素晴らしく、いつのまにか自身の性について考えさせられる

この書評は、下ネタを連発して周囲を困らせるほどだったという米原女史だからこそかけるものだと思いました。自分はここまで性の問題に対して割り切れません。

「セックスボランティア」には出てこないですが、精神障害者も性の問題にはまた悩まされているものです。統合失調症はもとよりうつ病などに普通に使われる薬にも、副作用として「性欲低下、勃起障害」などがあるのが普通なのです。坑うつ薬などは、知らずに使っている人も多いでしょう。市販の薬のように添付説明書があるわけではないですから・・・。パートナーの一方が薬の副作用で性欲がほとんどなくなり、もう一方のパートナーに罪悪感を抱えているなんていう話はざらにあるようです。その一方恋もしたい、結婚もしたいという精神障害者を社会は抹殺してきたといって良いでしょう。統合失調症は遺伝であるという認識が強いため、普通結婚などは認められませんでした。べてるでは障害を抱えながら結婚して子どもも生まれて、「問題だらけ」だけれどもなんとかやっているカップルが何組も誕生しています。一人でいたって「問題だらけ」なのに、輪をかけてすごくなるようです。でも問題にぶつかって悩んで悩んですごすことこそが生きることと捉えるべてる流の考え方ですから、当事者に問題は全部返す、返すけれどお互い様でサポートもしあうピアサポートの考え方で立ち向かっているようです。

書いているうちにテーマ自体がどんどん大きくなって収拾がつかなくなってきました。

「生」は尊重されるべきでありながら「性」は暗闇に追いやられる。その結果性犯罪の被害者も本当のことが言えないまま傷ついた心を孤独に癒さなければならない。「性犯罪被害にあうこと」(小林美佳著:朝日新聞出版 2008年)を読んで、被害にあったことで自尊心がもてなくなって、自分なんて生きている価値がない、死にたいと思うようになる(今はPTSDと説明されますね)ことが自分のうつ病発症エピソードと重ねられてたまらない気持ちにもなりました。その感情は両親にすらしかし理解されなかったそうです。ご両親は娘がそういう被害にあったということが(言ってみれば社会的な)ショックで、娘さんの気持ちを受け止めることができなくなってしまったのでした。でもこのような事件は枚挙にいとまないほどあちらこちらで年中起こっています。この本の著者がレイプの被害にあったのは東京の府中市内だそうです。特に治安が悪いわけでもない、目と鼻の先に交番もあったようなそんなところでレイプ被害にあって、恋人とのセックスも普通にはできなくなってその都度吐いたりしていたそうです。念のため、著書で解説されていますが、今はレイプケアキットや、性犯罪対処マニュアルに加え、アフターピルなどもあり、性交後七十二時間以内であれば、最悪の状態である妊娠という事態を九八%位の確率で防げるとのこと。こういうことも起きてから知らされるのでいいのか・・・。

ひとまずここで打ち切ります。

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