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2009/03/02

ソロスは警告する

ジョージ・ソロスといえばヘッジファンドを運営して、アジア経済危機などさまざまな経済的クラッシュの引き金を引いた人物です。その人が書いた「ソロスは警告する」という本、現在の金融危機に関して言及した本ですが、投資に役立つかというと・・・彼の結論は「経済は思惑で動くので予測不能」だと述べています。ぎゃふんという感じですね。でもこの本は著者自身「3章は難しいので読み飛ばしていい」といっているのですが、この3章にこそこの本のすべてが詰まっているといってもいい。彼は経済学などというもっともらしいものはすべて後付の理論であり、人間は本質的に間違えるのだということ。金融市場は常に均衡点を目指す(需要が供給を上回れば値段が上がり、逆なら値段が下がり需給関係がバランスをとるという考え方)ということはなく、だからこそ当局の規制が必要なのだと述べられています。こういう話題を現代思想を踏まえたうえで書いているのがおもしろいところです。

この本の最初に松藤民輔なる人物が解説を書いているのですが、なんでも「英国『エコノミスト』誌が「この10年間で一番注目している日本人と紹介したカリスマ投資家」だそうです。この人が「私が今まで一番勉強させてもらった本だ」と絶賛し、「ソロス独特の難解で抽象的な筆致に、おそらく少なからぬ読者が困惑するはずだ。だが、真の意味で人生の糧となる良書とはこのような『自分で考えなければならない本』だ」と書いているのにはあきれました。エコノミストなんて所詮この程度のものなんだ。彼が「一人でも多くソロスの方法を学び、日本の存在の大きさを自覚し、日本の歴史的な役割を勉強し、そして真の力を自分の言葉で語り、欧米のエリートたちと互角に渡り合えるような人間に育ってほしい」と書いているのですが、自分の知る範囲でもこの程度の抽象的思想的概念を操って自分自身の世界観を持っている人は大勢いるので全然心配要らないと思いました。

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