« 業務連絡 | トップページ | 新三郷IKEAは11月19日オープン »

2008/11/07

誰も教えないらしい

職場の現役時代から読んでいて、今でも目に付くとつい本屋で買ってしまう雑誌に「販売革新」と「ファッション販売」があります。前者はチェーンストア(大型・小型スーパーの他ドラッグストアやホームセンターなどチェーン展開している企業)のマネジメント職を対象とした経営専門誌、後者はテナントビルのショップ店長向け初歩から応用まで網羅した情報誌です。先日、もう仕事としては縁がないのに販売革新の10月号を買ってしまいました。特集がアウトレットモールなのでとても興味深く読んでいます。

ところで後半の連載に売場別の販促スケジュール見本があるのですが、これは少し甘い!正月のディスプレイを1月中旬まで引っ張ることになっているし、フレッシャーズ(リクルートスーツと関連商品)の立ち上げが1月下旬になっています。遅い!電車の中吊り広告が新卒向けの採用セミナーばかりです。昨年くらいから就職活動のスタートは事実上卒業の1年半前になりましたからマニュアルどうりの演出ではダメでしょう。正月の演出は3日まで。元旦営業と年明け即バーゲンが定着しているのだから早く展開しないと売り場に鮮度を出すことは出来ません。

それと、やはり連載記事に「売場担当者が売りどころを知らなさすぎる」との指摘がありました。これは全く同感。特に大手スーパーの現場担当者が知らない。今年9月にあるジャスコの紳士カジュアル売り場を見たら、8月のお盆休みで売りきらないと100円でも売れない物ばかり残っていて、9月も持っていないと売り上げ取るのが難しいので上手に残さないとならない夏物商材が全く無いのです。あれでは9月の売り上げボロボロだっただろう。

数字が上がらないのでどんどん人材を売場から抜くのですが、そのサポートを店長、副店長クラスが出来ないのです。だって知らないんだもの。ジャスコに限らないですね。西友は経費を削ることしか知らない。食品売場で大切なのは、ただ安いことではないです。日本では、主婦の悩みが晩ご飯の献立と次の日のお弁当のおかずを考えること。だから売り場では様々な簡単メニューを紹介したりイメージさせたりするのが極めて大事です。あなたのほしい物はこれでしょう?と提案し続ける売り場でなければ売れません。これが出来ていないと、物はあるけど欲しいものはない店と認識されてお客さんの足は遠のきます。西友はアメリカのスーパー・ウォルマートの子会社になっていますがアメリカから来た指示通りにすればするほど売り上げが落ちて6期連続赤字でしょう。知らないんだと思います。

知らないから教えない。教えたくても別の仕事(多くは不振の原因報告書の作成など)に追われて教えられない。実はこれが多くの小売業の不振の原因だと思います。ネット通販にくわれているというのもあるけれど、足元(現場)をよくみなきゃ。

追記:現場をよくみなきゃ・・・と書いてから思い出しました。自分が以前勤めていた会社は自分のいるころK氏一族がすべてを牛耳っていて、まるで同族企業のようでした。ただ、専務をしていた三男の人だけは部下からも取引先からも一目おかれていました。この人は東日本地区担当時代よく店回りをしていました。重役ですからスケジュールどおり動くのですが、時折お忍びで店にやってきて、現場の若手社員やパートさんによく質問をしていました。労働組合の役員としてお話しするときも、とても厳しいことを言うけれど筋を通せばよく聞いてくれる人でした。分からないことは現場に行く、部下に聞くというのはプライドが邪魔をして案外できない人が多いものです。しかし仕事のできる人は現場の部下によく質問して聞いていたし、自分の専門外のことなど特に部下に聞いたり、自分でよく勉強していたりしたものでした。これは小売業に限らないでしょうね。こういう人は概して部下の信頼も厚かったです。

|

« 業務連絡 | トップページ | 新三郷IKEAは11月19日オープン »

商業・サービス業」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 業務連絡 | トップページ | 新三郷IKEAは11月19日オープン »