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2008/10/27

勝間和代の日本を変えよう

3時間で読めます。ぜひ読んでください。この本に書いてある様々な考え方に自分は諸手を上げて賛成します。

女性としてはきわめて論理的に物を考えることのできる(というか、他の女性がそういう教育を受けていない、受けさせてもらえないだけのことですが)勝間和代さんが漫画家の西原理恵子さん、評論家の雨宮処凛(かりん)さんとの対談をベースに、日本で女性が社会的に活躍できないことや少子化の問題などにするどく切り込んでいきます。ばっさばっさと日本の現状を切り捨てる(データに基づいて)のには、一種水戸黄門で「この印籠が目に入らぬか」と言われて周りがひれ伏してしまうシーンのような快感すら感じます。女性は特に読んでください。あれば図書館から借りてもいいです。買うならビジネス書のところに勘違いで置かれています。男性にも読めといいたいけれど、特に年齢が上になるほど反発を感じるだろうなあ。

自分は自民党総裁選挙で小池百合子氏が全然票を集められなかったのに愕然としました。麻生なんていうのは最悪の選択です。日本初の女性総理大臣を出すべきだった。多少のことには目をつぶっても女性がトップに立つことのメリットのほうが1000倍大きいといっておきます。後期高齢者医療制度が老人差別と言われますが日本の幼児虐待政策(すべてのお勘定は後回し)のひどさは高齢者差別の比ではありません。選挙では政党に関わらず女性か男性なら女性、そうでなければ一番年齢の若い人に投票していくくらいで丁度いいと思っています。

男性、特にマネジメント能力がないのに管理職をやっている男性、経営能力が無いのに経営者をやっている男性にはきわめて不愉快な内容でしょう。一部の高齢者にとっても不愉快かもしれません。地方で勉強もせず補助金に頼った農業経営や土木建設に携わる人などには不愉快かもしれません。つまり、日本はこういう人たちがきわめて優遇されているのです。それを論理的に明快に示しています。はじめに書きましたが3時間で読めます(他の勝間本はそれなりに骨がありますが)。是非皆さんで読んでください。

ただ、日本を変える以前に日本から逃げ出している人たちが想像以上に多いみたいです。自分の友人知人でもカナダ、ニュージーランドへ移住した人やこれから移住することを考えている人は多いし、自分もできるものならインドへ逃げ出そうと思っているし、ある双子のお母さんは「タイなら育てる自信はあるが日本では無理」とか。逃げる力があるなら早いところこの国とはおさらばしたほうが良いかもしれません。おととい自分の叔父と話して認識が一致したのは、この国の崩壊も今の世界経済危機のように突然やってくるだろうということ。経済的だけでなく本当は能力があるのにニートやらフリーターやらといわれ、本格的な援助が受けられずに世の中に沈んでいる人たちが蜂起するかもしれない。そんな気がします。

(毎日新聞社刊2008年9月)追記:この本を読むときは必ず2章の西原さんとの対談から読み始めてください。対談が一番面白いし、中でも西原さんとの対談がこの本の企画ベースになっているのです。優等生代表みたいな勝間さんと、劣等生代表みたいな西原さんが女性という視点ではこれだけ共通の問題意識を持っている、そこがおもしろいので、あとはするすると読めますよ。本に挫折する人はみんな最初の一ページから几帳面に読もうとしますが、面白そうなところから読めば良いんですよ。

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