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2008/10/02

どっしりかまえよう

世界経済から目が離せない状況になっています。昨年の今頃はアメリカのサブプライムローンの焦げ付きが増えてきた段階で、まだ影響は軽微と思われていました。1年後世界的な経済混乱に陥るまで状況が悪くなると考えていた人は少ないと思います。ただ、メディアは常に悪い状況ばかりを取り上げて煽り立てる傾向があります。日本に関して言えば、確かに景気はどんどん悪くなっていますが、国際的に見たとき日本はまだまだ大丈夫と思える要素があります。

ひとつは円高です。円高というと輸出企業にマイナス影響が出るということで悪いイメージがありますが、一時は一方的ドル安だったものが、今は他の通貨も安くなってきて消極的ではありますが安全な資産のひとつとして円が買われているのです。アジア通貨がリスク資産として敬遠されて軒並み安くなっている中、円がこれだけ買われているというのはすごい事だと思います。財政は危機的赤字ですが国際収支は黒字であり、特に外貨準備が9734億ドルもあるのです。これは中国についで世界2位です。お金をもっている上に金融危機がそれほど波及していないし、これからも比較的安心できる珍しい国なのです。円高のおかげで国際市況の値上がりにも関わらず極端な物価上昇が起きていないのです。通貨安になっている国では資源高通貨安でインフレがひどくなっています。

問題は政府による所得再配分機能が時代にあった形で成されていないことです。都市から地方への所得再配分の多くが建設工事などの公共事業としてなされていることは無駄な建設物を増やし、一方で農村の荒廃、医療・介護システム危機、教育の質の低下などを招いています。たとえば人口85万の山梨県で土木建設関係の分野に就業している人が3割もいるとか。首都圏に近くて産業も起こしやすい山梨ですらこれですから他の県も推して知るべしでしょう。以前にも書きましたが山梨はもう農地がどんどん道路に変わってしまい様々な問題を引き起こしています。余談ですが今日の国会代表質問で民主党山梨県選出の輿石東氏が「道路特定財源の一般財源化と言っておきながら未だに議論が進んでいない」といって自民党を攻撃したのにはあきれて物が言えないです。彼は地元で道路建設積極推進派なのです。道路財源がなくなったら困るのは輿石氏自身でしょう。麻生総理の経済対策にしても、実は大企業、金持ち優遇の対策が多い傾向があるとか。

地方の経済が土木建設依存であるがゆえに、目下地方経済は本当に大変なことになっています。公共事業削減の結果、地方のゼネコンがプチバブルの起きていた都市部に進出しマンション建設などの工事を請け負っていたのです。ただ、新参者が大手のマンション工事を受注することは難しかったので、急成長してきた新しいマンション開発業者の物件工事を請け負いました。マンションは売れてからお金が入ってくるので、工事代金も工事がある程度完成してから支払われます。工事を請け負う側が一時資材や建設代金を立て替えているのです。そこに世界的な資源高による資材費高騰がのしかかりました。そしてマンションバブルが崩壊してゼファーなどの新興マンション会社の倒産で工事を請け負った地方の建設会社にも危機が及び地方の有力ゼネコンが次々と倒産しています。ゼネコンの下にはたくさんの下請け会社がありますから都市のプチバブル崩壊が地方経済に大打撃を与えているわけです。短期的に経済対策として公共工事を増やす(麻生総理は建設国債の発行にも言及しました)のは仕方がないのだと思います。しかし3年~5年かけて中期的に建設業者の業種替えを国策として進めなければ、いつまでたっても高齢化に伴う安心は手に入らず、道路とダムが増え続けるということになりかねません。その維持費は今の子ども達が払うのです。いやいや建設費も借金ですから全部子ども達に回すのです。この根本的構造にメスを入れなければなりません。

政府の債務は危機的ですが、国としては資源がない代わりに資金がある日本。これを有効に使っていけばまだまだ日本には可能性が残されていると思えます。

格差問題は高度経済成長という一種のバブルが剥げ落ちた結果、中流層のかなり多くが脱落してきたことが響いているのだと思います。小泉政権の失政だと勘違いしている人が非常に多いですが、国の成長率が落ちているのだからお金が回らなくなるのも当然で、むしろあの改革をしなかったらさらに悪い状態にあったでしょう。小泉改革が悪かったのではなく、それに便乗して工場労働者の派遣を解禁したりした別の勢力があるということは知っておくべきだと思います。

日本は国のGDP総額が4兆ドルもある豊かな国です。しかし一人当たりに割りなおすと別の側面が見えます。ひとりあたりGDPは34,312ドル。これを上回る国が結構あります。イギリス・フランス・カナダ・オーストラリア・オランダ・スウェーデンです。そういわれてみるとこれらの国は人々がゆったりと暮らしているようなイメージがありますね。がむしゃらに頑張るのではなくやり方を変えていくことでこれらの国のようなゆとりある生活を取り戻すことは可能だと思います。そのためにも国の仕組みをもっともっと変えていく必要があるでしょう。国民新党が言うように国を後戻りさせることは現実味のない話です。常によりよく新しい仕組みを考え取り入れていくことにこそこの国の生きる道があると思います。

重度精神障害者になってしまえば世の光の当たるような生き方はできません。それでも考え方次第では豊かではないけれど幸せな暮らし方というのもあるのだと思います。年収1000万以上稼いで貯金0なんていう人たちも大勢いるそうです。つつましくそれでいて心豊かな生き方を志せば株価が暴落しようと会社が倒産しようとあわてる必要はありません。

どっしりかまえてみましょう。そして視野を大きく広げてみましょう。べてるの家が標榜する「降りる生き方」の実践が逆に心豊かな生き方の発見につながるかもしれません。

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コメント

オラー たくぞ~です
いつも、なんちゃんのブログは拝見させて頂いていますがコメントは初めてですね。今日の記事は自分に凄くタイムリーな話題だったので思わずメールしちゃいました。濱親父のバーベキュー会場に思わず...って感じでした。また、お会いしましょう。

投稿: たくぞ~ | 2008/10/03 01:58

オラー たくぞ~。
そうですか、タイムリーだったんだ。自分としてはあれこれ書き散らしている感じなのですが、でもこれだけ長い記事は久しぶりにかけました。かけるときはすいすいタイピングの指が進むのですが、いつもではないです。

先日久喜のクマさんのラストファミリーに行った時、イヤロン親父のヤジさんとお会いしました。ヤジさんが自分のかばんがぱんぱんに膨れていて中に新聞やら本やらが詰まっているのを見て、ぽろっと「伝えたいんだね」と言ってくれたのです。それを聞いて「ああ、そうだ、自分はいろいろなことを伝えたいんだ」と強く思いました。

濱親父がまた懐かしい場所で開催ですね。残念ながら行けませんがのびたはじめ皆さんによろしくお伝えください。また遊びに行きますね!

投稿: なんちゃん | 2008/10/03 14:33

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