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2008/05/29

為替のいたずら

自分が「インドで小学校に本を寄贈しよう」と思うきっかけになった本、「マイクロソフトでは出会えなかった天職」(ジョン・ウッド著・ランダムハウス講談社)の原著が我が家に積ん読状態になっています。英語のペーパーバックです。この本、英語なので英語が通じる国なら日本語の本と違ってどこでも売ることができます。そこで値段表記は3つあります。US$15.95 canada$18.95 UK£12.99です。これを今日の日経新聞朝刊に載っているレートで円換算すると…。アメリカ約1864円、カナダ約2008円、イギリス約2713円となります。同じものなのにこんなに値段が違うんですよ。

特に注目なのはカナダです。新聞記載レートだと対円でアメリカドルが104.38円、カナダドルが105.98円。つまりカナダドルの方が高いのです。これは近年にはなかったことです。本の値段を見ていただけば分かるようにカナダドルはアメリカドルの約85%くらいの価値がずっと続いていました。それが徐々に近づき逆転してしまいました。これはアメリカがいわゆる「サブプライム問題(これもわかりやすく書き下ろしたいですが)」で混乱し米ドル安がすすんでいることと、原油価格の高騰が原因です。実はカナダにはオイルサンドという、原油を含んだ地層が広範にあるのだそうです。普通の原油価格では原油として取り出すのはコスト割れなのですが昨今の原油高でオイルサンドを原油にしても採算が合うのだそうです。そこで「資源国通貨」としてカナダドルに投資するディーラーが増えて米ドルとカナダドルの価値が逆転したのだそうです。

今アメリカとカナダの国境ではたくさんのカナダ人がアメリカへ買い物に来ているそうです。アメリカで買った方が同じものでも安いからです。これは90年代の円高で日本人が海外へ買い物ツアーに出かけていたのと同じ構図です。ただ隣国だけに、カナダの人は生活用品なども買っていくようです。

以前の週刊ダイヤモンドで為替の特集がありました。それを読んでびっくりしたのですが、為替変動は今や実需よりも投機のウエイトが高いのだそうです。つまり学者先生方が「理論的には1米ドル80円を割っても不思議はない」と言っても、理論で相場は動かないということ。思惑が相場を動かすのです。これは昨今の原油や穀物価格の上昇の原因と全く一緒です。

投機のおかげでガソリンや食品の値段が上がるのではたまったものではない、投機なんか規制した方が良いのではないかと思う方も多いでしょう。しかし(これはひとくちで言い尽くすのは困難ですが)市場である以上規制をかけることは悪影響の方が大きいのです。だからたとえば為替なら市場のルールに従って介入することはあり得ます。

アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長がサブプライム問題への対処として緊急の利下げを繰り返しました。ところがそこで流れ出たお金が狙いとは違う方向、つまり商品相場への投機に使われているのです。いろいろ読んでいますがこの事態への有効な処方箋はまだ見つかっていないようです。

ちなみに冒頭で紹介した本は日本では税込み1680円です。ハードカバーで翻訳と装丁の手間がかかっているのにアメリカの値段より安い!勝間和代さんの言うように日本の本は安いです。しかも情報の質が高いのです。本をたくさん読もうではありませんか。

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