「婚活」の時代
「婚活」とはなんぞや?読んで字のごとく結婚するための活動・・・。就職活動を「就活」というのと対を成しています。この言葉を本にして出したのが「パラサイトシングル」「希望格差社会」などの言葉を生み出してきた社会学者山田昌弘氏であり、共著なのが白河桃子氏・・・白河氏は自分と同じ年代の未婚者がついつい買ってしまう週刊誌アエラに記事をたくさん書いている「少子化ジャーナリスト」です。
2人が書いている現実はすさまじいです。いまや「結婚」が生活必需品ではなく嗜好品になったとか、「結婚」したかったら自分磨きをはじめ相当の努力を強いられるとか、日本だけではなく世界中で異文化が近接する中で、相手に気を使える日本女性は国際的にもてているのに気が利かず押しの足りない日本男性は世界一もてないとか・・・。めためたです。
以前インドでも晩婚化が進んでいるという記事を書きましたが、ネットニュースで読んだはなしだと中国では日本でいわゆる「負け犬」女性が大挙出現しているのだとか。A女などと呼ばれて、学歴も経済力も仕事力もある女性が自分以上の男性を結婚相手として求めるので、結果そんな男は数えるほどしかいなくて結婚できないのだそうです。
自分が漠然と感じていた事柄がよく分析され的確に文章化されているのでうなりました。この本は通りがかりの本屋で偶然見つけたのですが、書店の売り文句曰く「今年の流行語ベスト10に選ばれること間違いなし」だそうですよ。山田氏が東京学芸大在職中に出す本としては最後だそうです。
この本を読んで、自分はもっとずうずうしくならないとダメだと思いました。ちょっとやりすぎて失敗したかなと思ったりしたのはそうではなかったことがわかりました。ちょっと断られたくらいで引いているようではいけません。
押しが強いだけではダメ。自分の優れている点を増やして自分からアピールしていくこと、それもさまざまな媒体、場所でやっていかなければ認めてもらえない。それとコミュニケーション能力が高くないとダメ。価値観が多様化した自分たち以下の年齢の人たちは、男女ともお互いの価値観をすり合わせる努力をしないとすぐ離婚に至るのですね。例えば昔なら母親のインテリアセンスに家族全員がはまっていくのが普通でしたが、自分のことを考えると狭くて汚い部屋ながらも自分の好きなデザインの布を使ってカーテン代わりにしたりしているし、食器にしろ寝具にしろ自分の心地よいデザインというものがかっちりできてしまっています。多くの人がそうでしょうから、そこのところをすり合わせる事からやらなければならないのです。しかも人間的成長とともに価値観や嗜好も変化していきますから、お互いがそれを自分自身で伝えて、その都度するあわせていかなければ結婚生活は持続しないのです。自分の親たちの世代には理解不能でしょうね。
本について
「婚活」時代 ディスカヴァー携書21 2008年3月1日発行 出版元ディスカヴァー・トゥエンティワン 本体1,000円
追記:この本はいわゆる新書版の体裁をとっていますが、中身に比して値段が極めて高いと思います。というか他の本が安すぎるんだろうなと思いました。岩波新書なんか安すぎる。でも安くても売れない出版不況の最中。だいたい新聞も読まない、本も読まない大学生や大卒があふれかえる時代ですからね。新書ではなくあえて「携書」と名づけているのは、携帯電話のように簡単に読めて持ち運べる適度な中身を意識しているのだろうかとおもいました。
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