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2008/04/09

勝間和代という生き方

勝間和代さんのこと、お名前だけはずいぶんと前から知っていました。今売れっ子の経済評論家です。多くの方が「名前ぐらいは知っている」ことでしょう。

週刊ダイヤモンド2月9日号は特集が「年収が20倍増えた仕事術『グーグル化』知的生産革命」というタイトルで、中を読んだら書いてあるのは勝間さんのことばかりでした。雑誌の特集が丸々勝間和代さんなのです。読んでみたら結構面白かったのですが、特に驚いたのがお勧め本50冊の中に「モラル・ハラスメント-人を傷つけずにはいられない」というマリー・イルゴイエンヌさんの本が選ばれていた事です。精神科の医師や看護師さんでも全く知らない人がいるモラハラのことを門外漢の勝間さんが自己啓発本の良書の一冊として取り上げている。しかも噛み砕いたものでなく、初めてモラハラという概念を提起したマリー・イルゴイエンヌさんの原著です。これはすごい!それで他の49冊にも目を向けると面白そうな本が多いのです。ブルーオーシャン戦略なんてのはマネジメント職でないと知らない概念かもしれませんが、そういうものも網羅しているし、ピーター・F・ドラッカー氏の「ネクスト・ソサエティ」なんか自分もみんな読んだほうがいいと思っているくらい。

そこで勝間さんの「効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法―」という本を買って読みました。彼女は「本にマークしたり、内容をまとめたりするな」と言っていますが、あえて線を引き、こうして本のかんたんなまとめと感想を書いたりしてみます。普通だったら自分はこんなタイトルの本は買わないです。お金が儲かる事自体悪い事ではないと思っているし生産的な人生を過ごしたいとは思っているけれど、概して「儲かる~~」「効率アップの~~」ってなタイトルの本にろくな本が無いと思っていました。この本はいわゆる「儲ける方法の伝授」といった類の本ではありません。まさしく勝間和代という生き方の本だと感じました。というのも勝間さんはお金儲けする事に価値を置いているわけではないからです。

勝間さんの「知的生産術」は非常に優れていると思います。あらゆる物事を自分の視野から点検し読みかえることで、今本当は世界がどう動いているか、という情報をうまくキャッチしています。情報というとコンピューターの中にあるものあるいは図式されたものという印象がありますが、実は私たちが見聞きするすべてのものが情報です。その中には有意なものもあれば、全く意味の無いものまでさまざまです。なるべく有意なものを自分の中にとりいれて行くこと、そして物事の本質をつかむ事が大事です。「本質をつかむ事は自分が今日より明日いかに楽になるか」だと勝間さんは説いています。そして(これは自分がとても共感した部分ですがgive&give&give&give&give・・・つまり自分のつかんだ大事な情報を人にどんどん教えていくのです。情報を惜しげもなくあげてあげてあげ尽くしていると、それが自分にとってかえって有利に働くのです。自分の知識にあいまいさがなくなります。自分の分からないところも情報として全部出す。するとそれを教えてくれたりサポートしたりしてくれる人が必ず出てくるので、それもさらに自分の肥やしとするのです。ここが弱みを強みに変えるポイントです。「弱さの情報開示」とは「べてる」でもキーワードになっている言葉ですね。職場で分からない事は先輩にどんどん聞く。自分が聞いて分かる事によって、その仕事が今まで以上にスムーズに進むとわかったら先輩もどんどん教えてくれるでしょう。学びの姿勢も実は「弱さの情報開示」をするのが最強の方法なんだと思います。

「本を読め」というのも勝間さんは繰り返し言います。それも文庫や新書ではなく単行本を買え・・・と。勝間さん曰く「本は著者のかけている労力に較べたら格段に安い」そうです。それも2000円、3000円するような本はそれなりの中身(例えば著者のうん十年かけて培った情報)がともなうということ。だってその値段で中途半端なことを書いても売れないし、第一、出版社が出さないでしょう。自分も学生時代に読むべきテキスト的な本は文庫や新書で読んで数を稼ぐべきだと思いますが、今この年で読む本はほとんど単行本になるだろうと思います。あらゆる意味で自分の専門性が高まってきているので、そのレベルに合致する本は文庫や新書にはあまりないものです。しかも情報をインプットするのに本ほど効率的で安いものはないと言い切っています。自分も同感です。

勝間さんはさらに「ブログを書け」といいます。個人の書いたものがこんなに簡単に全世界で読んでもらえるというのは活字が発明されて以来の大転換ではないかといいます。ブログで質の高い情報をどんどん供給していく事でファンが増えます。口コミでサイトを宣伝してくれる人ができてやがては出版につながるかもしれません。

「出版」。これによって人生のステージがあがると勝間さんは書いています。つまり出版すると、しかもベストセラーになると今まで話をすることもできなかったような評論家やエグゼクティブの人と対等に話が出来たりするようになる。これが実に刺激的なことなのだそうです。

勝間さんの書いている事はもっといろいろあるのですが、この勝間和代さんはお金が欲しくてこういう活動をしているわけではどうもなさそうなのです。出版してベストセラーを生む事は手段の一つと考えているようです。何のための手段?それは自己実現であり、自分以外の人と話すことによって得られる刺激を味わう事なのだと思います。たばこや酒で得られる刺激の何十倍もの満足感を得られるのだと思います。そのために必要でない事をとことんそぎ落とす。それが勝間和代という生き方なのだとおもいます。

ひとつやふたつ、参考になる事がきっとあなたにもあります。1500円でこれだけやる気にさせてくれる本はなかなかないでしょうから一読をお勧めします。

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