« 英語と米ドル | トップページ | 武蔵野線終電繰り下げ »

2008/02/25

10~20代の半数が被害に

ずいぶん前に「別記事にします」と書いていながら日の目を見ていなかったデートDVの話です。

デートDVとはなんぞや?

デートDVは恋人の間での言葉などの精神的な圧力を含む暴力行為のこと。親や周囲の知らないところで、想像以上に広がっているようだ。背景には「痴話げんか」として軽視しがちな社会風土や、携帯電話の普及など若者のコミュニケーションの変化があるという。

デートDVはDV防止法の対象外(対象は配偶者および元配偶者)で、現在は法的措置をとることはむずかしいものです。これだけ読むとそれほど大きい問題ではないような気がするかもしれません。しかし・・・

デートDVに詳しい川崎正宏弁護士は「DVが起きている夫婦は『恋人時代からDVがあった』というケースが多い」と話す

というのです。

「恋愛が低年齢化し、『束縛=愛情』という誤った関係に若者が陥りやすくなっている」

となればほとんどモラハラと同じような状況があちらこちらで起きていることがお分かりいただけると思います。

デートDVを周囲が見抜くのは簡単ではない。内閣府の調査では四割が「被害を誰にも相談しなかった」と回答。暴力を深刻化させる悪循環も招いている。

同級生から五年近くも暴力を受けていた伊勢谷陽子さん(仮名、20)も、その一人。口げんかで腕をつかまれあざが出来たのが最初。暴力は次第にエスカレートし、肩やおなかを何度も殴られ、「逃げないと死ぬ」と感じるほどになった。それでも暴力のあとに平謝りする彼を見て「頑張ればいつかやめてくれると思っていた」ため、誰にも相談しなかった。結局暴力がやまず、別れを切り出した時には「待ち伏せしてやる」「秘密をばらす」などと脅され、「逃げられないとあきらめた」という。

デートDV防止プログラムを実施する民間団体「アウェア」(東京・千代田)の山口のり子代表は、伊勢谷さんのような女性の心理を、「力で支配され、正常な判断が出来なくなっている」と分析する。

とても大事な問題である事がお分かりいただけると思います。内閣府が昨年九月に行った調査では十代から二十代の未婚男女の約半数が何らかの被害を受けたと回答しているのです。これは男女両方です。ただ、具体的な暴力行為を見ると男性が女性のモラハラ的行為を主にあげているのに対し女性はもちろんモラハラのケースもたくさんあるのですが、「貸したお金を返してくれない」「避妊に協力してくれない」などより深刻なケースが多いように見受けられます。

周囲にデートDVの被害者がいたらどういう対応をとればいいでしょうか?

「アウェア」の山口さんも「『別れろ』などと怒るのは逆効果。まず事実を聞き出し、『あなたのせいではない』と伝える事が大切」と話す。

当事者を責めないことで、本人が自信を持ち自ら相手と縁を切る可能性が開けるようです。ただ、相手がそう簡単に手を引かない場合もあります。全国女性シェルターネットの遠藤智子さんはまず、民間の保護施設やデートDVに取り組む団体に連絡する、交際相手が同級生などの場合には教育機関に相談する事も重要とのこと。川崎正宏弁護士によれば「被害者は仕返しを恐れる場合が多いが、実際は警察などに相談したと分かっただけで『いいなりにならない相手だ』と手を引くこともある」とか。遠藤智子さんは「DV加害者を変えるのはかなり難しい。予防教育に力を入れるとともに、親、友人が一丸となって被害者を助ける姿勢が必要」と話しているとのこと。

この問題をよく理解するにはモラルハラスメントの記事を読んでいただくのが良いと思います。人間は言葉でコントロールされてしまう事も多いのです。だから被害者を責めないというのは大事なポイントだと思います。

束縛は決して愛ではありません。暴力です。この認識が大事です。

この記事は日本経済新聞2007年12月25日夕刊の記事をもとに構成しました。

|

« 英語と米ドル | トップページ | 武蔵野線終電繰り下げ »

精神福祉・精神障害」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 英語と米ドル | トップページ | 武蔵野線終電繰り下げ »