インドから始まる自動車価格破壊
インドで走っている自動車のうち乗用車は日本のスズキが現地企業と合弁で作っているマルチスズキが約半分のシェアを握ります。残りの20%が韓国のヒュンダイ、20%が地元タタモーターです。あとの10%にトヨタ、ホンダ、欧米の自動車メーカーなどがひしめきます。バスやトラックなどの商用車はほぼ100%タタモーターです。
このタタモーターが30万円台の自動車を発売すると発表して大きな話題になっています。徹底的に機能をシンプルにした車で、環境学者が「悪夢の車」と言っているそうですから燃費も悪く省エネには程遠い車だと思われます。
ただ、この30万円台という価格には大きな意味があります。日本では年収300万円でもワーキング・プアの分類に入るらしいですが、新興国では年収3000ドル以上というのが中間所得層と分類されるそうです。年収3000ドルあると耐久消費財を買う事を考え始めるからだそうです。タタモーターの車はこの中間所得層の年収で買える車という事になります。つまりこの値段設定には大きな戦略的意味合いがあるのです。
市場がますますふくらむと予想されるインドでのこのタタモーターの動きに他の自動車メーカーも追随しようと低価格車の開発に必死だそうです。もしインド以外の自動車メーカーが年収3000ドルの人でも買える車を開発して成功したら、瞬く間に世界中に広まるでしょう。
日本で30万円台なんていったら中古でもろくな車が無いのに。インドでの自動車販売競争に目が離せなくなりそうです。
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