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2007/11/02

ピアサポートの必要性

戸田で12年間べてるのビデオ上映会を企画実施されてきた森田惠子さんから「ひとり新聞」という個人誌を送っていただきました。先日の「そのまんまが大好き」上映会の特集で、べてるからのゲストの川村先生たちが飛行機にのりおくれた経緯なども知りました。問題が起きても「それで順調」。この言葉は「何があっても大丈夫」という勇気をもらえる言葉ですね。この場を借りて森田さんに御礼申し上げます。

森田さんは「べてるの家」出版物の最新刊「認知行動療法べてる式」の撮影をも担当されています。リンクに新しく加わった「春の海 ひねもすのたりのたりかな」は森田さんのホームページです。ご興味のある方はぜひ訪問してみてください。本当はべてるの出版物はべてるで購入すれば彼らの取り分も出来るのですが、ちょっと値段のはるものなので書店勤務の知人に社員割引で取り次いでもらいました。

認知行動療法でも「べてるの家」の取り組みは最先端といってもいいものですが、ピアサポートという面でも優れた成果を出しています。ピアサポートとは問題を抱える人に、その当事者だった人がサポートするものです。これはサポートする側もさらに力がつくというメリットがあります。

余談ですが、夜回り先生こと水谷修先生は問題を抱える子どもたちを全部自分で引き受けて、結果的にたくさんの子どもたちをとりこぼしてしまっています。水谷先生もピアサポートという発想で問題と取り組む事ができたら良かったのかなと思ったりしています。今のままでは水谷先生の「教え子」たちは、水谷先生がいなくなったとたんにまた孤立してしまいます。自分や鹿児島の友人であるあきゅのが何人かの子と実際に関わってサポートしたことがありますが、ホント何人かで限界を感じてしまいました。ほんの少しのサポートで、あとは自分で道を切り開いていける子もいれば、あまりにも深い問題を抱えていて手に負えなかった子もいました。そういう意味で日本中にピアサポートのネットワークを作っていく必要性を感じました。

ピアサポートが必要な分野は他にもあります。DVやセクシャルハラスメントの問題です。精神的セクシャルハラスメントはモラルハラスメントとかぶる部分があるので、モラハラという概念が分かりにくい方もセクハラから入ればもっと分かりやすいのかもしれません。

私が異性と会話するのをいやがる
私が電話で友達と話をしていると不機嫌になる
私が友達に会おうとすると、いろいろ理由をつけてやめさせようとする
いつも私と一緒にいたがる
お化粧や服装について、彼が何て言うかいつも気になる
彼に怒られるのが嫌で彼の言う事を聞いてしまう
私の話を全然聞こうとせず、無視された事がある
お前なんか捨ててやるといわれたことがある
僕には君が必要なんだと、すがりつかれたことがある
叩かれるかもしれないと思ったことがある
待ち合わせの時間にちょっとでも遅れると機嫌が悪い
私の服装や化粧に細かく注文をつける
彼は私に手をあげることもあるが、その後はプレゼントをくれたりデートに誘ったりする
今度こそ分かれようと思うたびに、やさしくしたり、気を使ってくれたりするので、態度を改めてくれるかなと希望を持ってしまって別れられない

これらはすべて精神的暴力です。(「ジェンダー論」の教え方ガイド 沼崎一郎 フェミックス 2006年11月)

この本を読んで自分も衝撃を受けました。この本は女子大でジェンダー論を教えている先生が「We」という雑誌(ミニコミ誌?)に連載したものに加筆して本にしたものです。この「暮らしと教育をつなぐWe」編集部の方とも森田さんはつながっていて、自分はこの本と、先日の戸田の上映会でパンフに挟まっていたチラシを見て出会いました。「今度こそ別れようと思うたびに、やさしくしたり、気を使ってくれたりするので、態度を改めてくれるかなと希望を持って・・・」って自分に対して母がやった「モラルハラスメント」そのものです。さらに衝撃的だったのは自分の身近にこういうことを自分の彼女や奥さんにやっていた同性の知人が何人か思い浮かんだことです。彼らに対する違和感や不快感はこれだったんだ!と目からうろこが落ちるような感じがしました。

著者の沼崎さんは、自分が絶対必要だと思っている性教育の実践者でもあります。講義でこんなプリントを「テストだよ」といってやらせてみたりします。

月経中はセックスをしても絶対に妊娠しない
15歳以下の男の子にはまだ妊娠させる力がない
オギノ式の避妊とは“月経の前後一週間は安全日”というもの
膣外射精(外だし)は、手軽で確実な避妊方法なので、男の子はぜひマスターしておきたい
コンドームは射精の直前につければよい

もちろん全部うそです。でも男性向けの漫画やエロ雑誌にはこの手の話は必ず書いてありますよ。「生(コンドーム無し)でやるのが気持ちいい」とか。昨日電車に乗っていたら、ズボンをさげてトランクスをわざと見せるファッション(とはとても思えないけれど)の男の子2人がそばにいて、満員電車だったので全部話を聞いてしまいましたが、女の子の品さだめの話ばっかり。あのかっこ悪い連中(世代)が大学生になってきたんだなあとおもいました。

ちょっとここで休んで、後ほど記事を書き足します。

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