スキミング
suicaなどのICカードの普及で硬貨の流通が減っているそうです。確かに電車を使う人の半数以上が自動改札機を「ピッ」と言わせて通っています。あの手のカードで買い物をする機会も増えました。
クレジットカードを持っていない人も少ないでしょう。今はあらゆる企業が自社カードを出しています。社員や取引先だったりすると大体クレジットカードの1枚や2枚は作らされますよね。
キャッシュカードを持っていない人はさらに少ないでしょう。預貯金が無いか、ATMを一切使わず窓口でのみ取引をしている人以外は1枚は持っているでしょう?給料はもとより年金まで振込みの時代で、現金を手にすることすら少なくなっています。
ところで「スキミング」ということばを知っていますか?そう。カード情報を盗み取ってカードを偽造し預金を勝手に引き出したり、持ち主の知らないうちにクレジットを使ってしまう犯罪です。このことばそのものは知っていても、実際に自分に関係があると考えている人は案外少ないのではないでしょうか?自分も以前は「ある特殊な飲食店などでカードリーダーにスキマーという読取装置が仕掛けられて情報が盗まれる」というくらいの認識だったのですが・・・。
最近出た本で「スキミング-知らないうちに預金が盗み取られる」(松村喜秀 扶桑社新書 2007年3月)というのがあります。この本の筆者は非常に精巧な偽札発見器を作った人で、本の中では現在のカード万能社会に警鐘を鳴らしています。ぜひ一度読んでください。自分のお金がいかに危険な状態にさらされているかがわかります。個人のお金どころではありません。国のGDP(国内総生産)に数%のダメージを与えうるほど犯罪が深刻化していることがわかって、本当にぞっとすると思います。
たとえば、最近流行のICチップ入りキャッシュカード。あれ、以前の磁気ストライプのカードより安全かというと全然そうではないのです。ICチップも使っているけれど訳があって磁気ストライプも入っているのです。犯罪者は難しいICチップのほうからでなく磁気ストライプからいとも簡単に情報を盗めるのです。生態認証も同じ理屈でまったく安心できません。
スキミングされる状況もすごいです。注意して使っているつもりでも、たとえば一流デパートでしかクレジットは使わないという人でも被害にあう可能性は十分あるのです。
多くの人がこの本を読んで、自分達がいかに金銭管理に無防備かを知りましょう。多くの人がこのお寒い現実を知って対策を打つことこそ最大の防犯になります。この手の犯罪組織のやり方やスケールの大きさにびっくりしてください。まかり間違って加害者になってしまう危険も認識してください。
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