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2007/04/15

世代

少し前にNHKラジオの「関西土曜ホットタイム」のゲストで「しお爺」こと元財務大臣の塩川正十郎さんが出演されていました。あの方はばりばりの関西人なんですね。話の中で大きく2つのことを言っていました。ひとつは太平洋戦争をしでかした世代の人は、日露戦争で日本が勝ったことが強烈にインプットされていて日本が特別な国だと思っていたこと。もうひとつは学生がアルバイトに精を出さず学業に専念すれば、低賃金のアルバイトで成り立っている業界も給料を引き上げて正規雇用を増やさざるを得ないだろうということ。

これを聞いてうーんと思いました。前者に関してはそうかもしれないと思いました。後者に関しては全くの認識不足だと思いました。

後者に関して言うと、ビジネスモデルが低賃金労働者を使うことで成り立っているので給料を上げることは100%ないです。学生では足りないと言うことになれば(今、そうなっていますが)製造業では請負会社などが地方で仕事がない地域からやむなくフリーターをしているような人を送り込んだり、外国人労働者を送り込んだりしていますし、サービス業でも急速に外国人が増えています。飲食店やコンビニなどは慢性的な人手不足(というか低賃金労働者が足りない、時給は上げられない)になっています。

ところで前者に関してはなぜうなずけるかと言うと、現在似たようなことが起きているからです。つまり日露戦争の代わりに高度経済成長というものがあったために日本が世界一の債権国になったりしていて、バブル時代はアメリカのアイデンテティと思われるような不動産まで日本企業が買収したりしていました。あの時代においしい思いをした人たちはやはり日本は特別な国だと思っている節があります。

しかし日本はまったく「特別」ではありません。貿易黒字で米国債をしこたま買い込んでいるのは、今現在は中国です。現在世界一高いビルのあるのは台湾で、それを抜く高さのビルを3つも作ろうとしているのがアラブ首長国連合のドバイです。交通も不便で香港やタイのバンコクのような世界的乗り継ぎ空港も出来ず、規制緩和の遅れでアジアの金融センターの地位も危うい。一昔前ならアジア通貨といえば「円」だったかもしれませんが、今の円の地位は相当低くなりました。外資がはいってくると「ハゲタカ」と呼んで毛嫌いして投資意欲を損ねるし、アジアに日本企業が出て行っても日本流を通そうとする。パートナーシップを結ぶのが苦手で相手先の企業を日本的感覚で下請けだと思っている。下請け、孫受けなどといって取引先に仕事も責任も押し付けて上前だけはねるというやり方は国際取引では通用しないと思って間違いないでしょう。ましてトラブルが起きた時に下請けに責任を押し付けてトカゲの尻尾きりみたいなことをしていたら、日本では通用するかもしれませんが(通用させてはいけませんが)よそでは通用しないでしょう。

日本は決して「特別」な国ではありません。その認識を誤るとまずいと思います。高度経済成長でいい思いをした世代の人たちは特に気をつけるべきだと思います。

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