これをテキストとすべき
先日「面白い」と書いた「竹中平蔵大臣日誌」をほぼ読み終わりました。
この本は一経済学者が大臣として国の中枢のかかわり大きな改革を成し遂げた経過が事細かに書いてあります。部分的に「この人物のことは持ち上げすぎだな」などと思うようなところもありますが、全般的には従来の政策決定プロセスがどのようなものであり小泉内閣ではどこが変わったのかを明示していて、大学の教養レベルでは是非読んでほしい本だと感じました。この本は「民主主義とは何か」「リーダーシップとは何か」ストレートに書かれていて、年月がたってもテキスト的価値を持つものだと思います。
これとあわせてもう一冊読んでほしいのが、今は絶版になっているらしいのですが、岩波新書新赤版558の「大臣」菅直人著です。菅氏は、今では民主党の三枚看板の一人として党を背負う立場にある職業政治家ですが、当初は市民運動から政治に関わりだした点で、いわゆる利権政治を牛耳る形でのし上がる政治家とは違うスタイルの人です。その人が自民、社会(当時)、さきがけ連立政権下において新党さきがけからの枠で厚生大臣(当時)になったわけで、その成果が薬害エイズ問題で国の過ちを認めて謝罪するという画期的なことを成し遂げたことにつながったと思います。菅氏の本でも「民主主義とはなにか」を、少々固めの記述ではありますがきちんと書かれていると思います。
この2冊はいやしくも「大学生」という身分にある程度の知的水準にある人ならば、読みこなせて当然のレベルの本だと思います。しかし現実に読みこなせるかどうかとなるとかなりあやしい。それは大学教員の質の低さに原因があると思います。大学教員がこの程度の教養すら身につけていない。ましてやこのテキストを解きほぐして教養レベルの授業を展開する能力を持つかというと、ほとんどの大学が落第でしょう。そんな大学は大学ではないと思います。水ぶくれ大学が多すぎます。何とかすべき問題だと思います。
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