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2006/07/20

肝臓病教室

もうずーっと書こうと思っていた記事を蔵出しします。

いつも行く調剤薬局で何気なく目がとまったのが「Healthy TALK」11月号(昨年)と言う小冊子。見出しに「慢性肝臓病の人の日常生活」とあり、小見出しに「誌上肝臓病教室」と書いてあるのを見て、ピンときて手にとって読んでみると案の定かんぞうのしんぞう先生こと加藤眞三先生のニコニコ顔の写真が出ていました。

肝臓病のことを書くのは難しいのですが、治療すべき慢性肝臓病や肝炎を放置すると慢性肝炎から肝硬変へ、肝硬変から肝がんへ、それぞれ10年ほどをおいて進行するといわれているのだそうです。しかし、「肝硬変になった人は初感染から約20年、肝がんになった人は初感染から25~35年経っている人が多い」のだそうです。大事になるまで時間がかかるのですね。だから医師による医療を基本としつつも患者自身が積極的に「肝臓にいい日常生活」を送ることで高いQOL(クオリティ オブ ライフ、生活の質と言うような意味でお医者さんがよく使います)を維持できるのだそうです。「肝臓にいい日常生活」で大きな柱になるのが「運動・食事・感染予防」なのだそうです。ここではその詳細は省きます。

かんぞうのしんぞう先生は92年に慢性肝臓病の患者さんを対象とした肝臓病教室を開かれました。これは「外来で一人一人の患者さんに説明するには十分な時間が取れないと、苦肉の策で始めた」のだそうです。

 

同じ病気を持つ大勢の患者さんを、一つの教室に集めて話をするのですから、効率よく伝えられます。しかし、教室を続けている間に、教室のメリットは効率や能率だけではないことに気がつきました。
 医師からの一方的な話や説明だけが必要なのではなく、ある患者さんからの質問に対する回答は、他の患者さんにとっても、よい参考になることが分かったのです。さらに肝生検や血管造影などの検査や処置は、患者さんが語る経験談が、他の患者さんにとってよい情報になることに気がつきました。

このような気づきや体験を経て先生は『肝臓病教室のすすめ―新しい医師・患者関係を目指して』と言う本を出版され、多くの人が自分の病院でも肝臓病教室を開きたいからと、見学に来る施設が増えたのだそうです。ただ、まだ不十分なので先生は「患者さんからも慢性病の教室を開催する要求を上げてください」と訴えられています。

病院へ行って、2~3時間待って診察は5分、または3分などと言うのがおおい診療現場の実際です。患者もつらいけれど、医師のほうももどかしい思いを抱えていることが分かります。医療現場でこの「肝臓病教室」のような機会があれば相当の情報が伝達され、患者も色々なことがわかって安心したりすることができるし、医師のほうでも十分に情報を伝えることができます。現在自分のかかっている某大学病院でも「肝臓病」ではなかったかなあ、でも慢性病の教室が開かれているようです。こういう形で情報が共有できて、患者の心の持ち方が変わり、満足感がもてるようになればずいぶんと病院のイメージも変わっていくことでしょう。

引用は加藤先生の著「患者の生き方」(春秋社)より。引用以外にも参考にさせていただきました。先生のブログにトラックバックします。違うところなどありましたらご指摘くださいますように。

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