セクハラ、パワハラなど人の弱みを突いて追い詰める行動が問題意識を持って語られるようになってまだ日が浅いですが、これは問題が新規に発生したのではなく、以前から被害者にとって精神的苦痛を与える行為であったにもかかわらず表面化してこなかっただけです。弱い立場であった女性や若者が人権意識を高めるにつれて、こうした行為によって傷ついている人が声を上げ、社会的なサポートが必要であると認識されるようになったと言うことだと思います。セクハラ(セクシャルハラスメント)はすでに社会にほぼ根付き、企業や官庁、学校ではどういう行為がセクハラを教育する機会が設けられたり、誰が見てもひどいセクハラ行為には懲戒解雇を取るようなケースもでています。パワハラ(パワーハラスメント)も、放置すればイメージ低下につながる企業の中で特に対策が進みつつあると言えます。
最近になって「モラルハラスメント」という概念が徐々に浸透し始めています。4月15日の日経夕刊にこれが取り上げられました。まだなかなか認識しづらいモラハラ。ネット版の記事をリンクしたかったのですが、すでにもうないので、かなり長くなりますが記事を引用して、自分の考えを書きたいと思います。
自分の実体験を織り交ぜますので、苦手な方やフラッシュバックしそうな方はここで読むのをやめてください。
首都圏に住むAさん(35)は夫より早く帰宅するため、毎日、終業と同時に会社を飛び出す。しかし退社が遅れたある日、家につくと夫は不機嫌な顔でソファに座っていた。「食事の支度もできないなんて、主婦としての自覚が足りないんじゃないか」と一言。
あわてて「すぐに何か作るわ」と動き出すと、「いまさら食べる気分じゃない」。「ごめんなさい」と立ちつくすAさんに聞こえるように、夫は深いため息をつく。「謝ればいいってもんじゃないだろう」「じゃあ、どうすればいいの」「そんなことも分からないのか、お前はおれの気持ちなんてどうでもいいんだよな」。言い捨てて夫は部屋を出てしまった。「何が機嫌を損ねるのかまったく分からず、緊張のとける暇がない」とAさん。
さあ、どうですか?身近にこんな人いませんか?自分の場合母親がもろにこれです。一時自分も影響されてこんな行動を取ったりしていた記憶があります。自分に関しては今は大丈夫だと思いますが(以心伝心なんてありえないと認識していますから)、母に関して言えば死ぬまで治らないでしょう。すごく責めているように聞こえるかもしれませんが、そうではなく冷静にそう思うのです。放置すれば共依存関係に陥り、親子なら自分のようなAC(アダルトチルドレン)になること、請け合いです。
さらに続けます。
これはモラハラのごく一例だ。「モラルハラスメント」の名付け親、フランスの精神科医マリー・フランス・イルゴイエンヌさんは、著書で「言葉や態度によって巧妙に人の心を傷つける精神的な暴力」と定義し、職場だけでなく夫婦など生活のさまざまな場で起こっていると指摘している。
「こころのサポートセンター・ウイズ」(熊本市)のカウンセリングなどにも、夫婦間の相談が多数寄せられる。どの家庭でも、夫婦のどちらかが機嫌を悪くすることはあるだろう。しかし、モラハラの現場では、こういったやりとりが日常、何年にもわたって繰り返される。(なんちゃん注:自分は物心ついてから、うつ病を発症して医者の指示でアパートに一人住まいするまでずーーーっと、でした)
個々の言葉や態度は特に問題だとはいえないので、被害に遭っても最初は気づかないことが多い。しかし、頻繁に繰り返されるうち、Aさんのように混乱し、相手の顔色をうかがって常に緊張と不安を抱くようになる。無視や皮肉を巧みに使うモラハラに遭うと「悪いのは自分だ」と感じ、罪悪感で追い詰められるケースも目立つ。
私たち(こころのサポートセンター・ウィズ)がホームページで取り上げ始めた2000年以降、夫婦間の相談は年々増えている。30年近く夫のモラハラに耐え続けてきた女性や、うつ病になってしまった相談者もいる。
ここまで書くと、自分(なんちゃん)が「ACでうつ病」とタイトルにあげていることの原因が、少しだけでも分かっていただけるかもしれません。この記事、書いているだけで自分はむねがどきどきして、往時のことがフラッシュバックされます。でもせめて読者さんに少しでも伝えたいから、頓服飲みながら続けます。
モラハラ加害者特有のコミュニケーションが5つまとめられています。
1、あなたが他人と話すことを嫌う(父と話すのも嫌な顔をしたし、勝手に自分の子どもは「結婚しない」といったといって悦に入っていました)
2、何か失敗すると「社会人として未熟」など、人間性や性格をけなす
3、「こってりした食事は出すな」「わびしい食事で栄養失調にさせる気か」など、発言がころころ変わる(ほんとうにそうでした)
4、何か頼むと承諾しながら、みけんにシワを寄せるなど言葉と違う態度を取る(要するに自分がいい人でいたいから、NOとは言わないんです。コミュニケーション不全です。自分もひょっとするとこれが少し残っているかもしれません)
5、不機嫌な理由を尋ねても「考えれば分かるだろう」と答えるなど、具体的な話をしない(要は自分でも分からずに言っているんです。幼稚なんです)
さて自分(なんちゃん)はどう対応すればよかったのでしょう?
モラハラだと気づいたら、話すときは挑発に乗らないように注意する。加害者は話を巧みにすりかえ(注:これ、多分無意識にやっているんですよ)、あなたの混乱に乗じて都合のよい方へ導いていく。落ち着いて考えるための情報や時間を確保し、相手のペースに巻き込まれないことが大切だ。
最も相手を変えることはなかなか難しい。毅然とした態度をとると攻撃が激しくなることも多い(自分の時は、ちゃぶ台どころかテーブルをひっくり返しましたね)。そんなときは思い切って距離を置くことも必要。安全な場所で心を回復させながら対応を考える。
とのことです。今親と離れて暮らしていることが(経済的には問題ありですが)どんなに自分にとって楽か、自分が親のことを「家族」といわない、親の家を「実家」と呼ばない、籍はとっくに抜いてあるというのが少し理解されるでしょうか?
セクハラやドメスティック・バイオレンスも社会問題として認識された当初は過剰反応のようにとらえられがちだった。しかし概念が浸透した今では誰もが卑劣な行為だという認識を持っている。
モラハラについても、できるだけ多くの人に存在を理解して欲しい。モラハラが起きたときに周りの人もモラハラを行っている人自身も、その行為が精神的な暴力だと分かる視点を持つこと。それが被害者の回復のスタートになり、新たな加害行為を防ぐことにもつながると信じている
筆者の西原鈴代さんは以上のようにモラハラを行っている人自身も気がつくことを期待していますが、自分や他の被害者さんの例を見ると、相手の幼児性によるところが大きい気がするので無理だと思います。被害者がそれと気づいて、なにしろ距離を置くのが第一なのではないでしょうか。被害者もなかなか気がつけないことが多いと思います。そのままだと家庭なら夫婦なら共依存、子どもさんならACになる可能性がとても高いと思います。自分は相談機関の充実と、被害者への理解が進むことを望んでいます。
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