« はめられたのかな | トップページ | 充実しすぎ »

2006/01/21

続下関駅の悲劇

下関駅の放火犯人は刑務所を出所したばかりの高齢者でした。刑務所というのは更生施設であって、社会復帰することが目標な訳ですが、「社会復帰」っていったいなんですか?この犯人は出所したはいいけれど行くあてが全然ありませんでした。何度も服役し、しかも高齢で仕事もない。復帰するはずの社会にはまったく居場所がなかった。だから刑務所に戻ろうとして放火事件を起こした。これは昨日(1月20日)朝日新聞の社会面で、容疑者に接見したジャーナリスト、江川紹子さんが指摘しています。そして実にいい指摘をしています。「刑務所が福祉施設化している」

これは精神障害者が、「社会復帰」を目標に入院したりデイケアに通っていたりするのとまったく同じじゃありませんか。しかも「社会復帰」とは授産施設で月給5000円で働くことだったりするわけです。入院生活は、精神科病院に入院した人でなければ分からないでしょうが、本当にきついですよ。しかし社会に出るよりはましだったりすることが往々にしてあるのです。病院が生活保護の手続きを代行して行い、寝食に困らない場所が提供されるのです。もちろん風呂は週2回とか、繰り返しますけどほんとうにきついところですよ、精神科病院というのは。

今回の放火事件も構図はまったく同じですね。

江川さんは「弁護士の仕事はいかに刑を軽くするかになってしまい、一人の人間をどうするかという視点がない。」と指摘しています。死刑が確定したM被告の裁判のテーマが、精神障害であることから判断して責任能力があったかどうか、でしたが前にも書いたように精神障害だからといって責任能力があるとかないとか、そんなことは関係ありません。「死刑」という刑がいいのかどうかはまたいろいろな問題をはらみますが、少なくとも精神障害による責任能力の有無を争うのはばかげています。

こうした矛盾を解決していかない限り、刑務所の過剰収容や精神科病院のベット数過剰による医療費膨張などはなくなりません。限られたお金を有効に使うには、社会がこうした人々をきちんと受け入れることが必要です。とっても大きなテーマだと思います。

|

« はめられたのかな | トップページ | 充実しすぎ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/60361/8257143

この記事へのトラックバック一覧です: 続下関駅の悲劇:

« はめられたのかな | トップページ | 充実しすぎ »