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2005/11/22

あっちもこっちも

東神開発という会社を知っている方はこの業界に詳しい方とお見受けします。この会社は大手デパート高島屋の関連会社で、イオンモールやダイヤモンドシティのような、ショッピングセンターを運営するデベロッパーです。この会社の創立は早く昭和38年に設立、昭和44年には、今でもショッピングセンターの雄といってもいい玉川高島屋ショッピングセンターを開設しています。玉川高島屋ショッピングセンターは本当に時代の流れを常に取り込み進化し続けるショッピングセンターで、まったくすごいものです。平成4年には柏高島屋ステーションモールをオープンさせました。柏にはもともと高島屋があったのですが、駅の反対側に柏そごうの巨艦店があり、当時は珍しかったぺデストリアンデッキ(歩行者専用の回廊、駅と連結しているもので今では川口駅、大宮駅の西口、新宿駅新南口などにもあるものです)でつながれていたため、そごうのほうが集客があったのです。それがステーションモールのオープンとともに形勢は逆転、そごうが時代に取り残され陳腐化する一方高島屋ステーションモールはFM放送のスタジオ(BayFM)を備えたり(これは後大宮アルシェのFM795や福岡天神の岩田屋Gサイドに以前あったLoveFMのスタジオなどにつながったように思います)、大きな吹き抜けを作ったり、シネマコンプレックス以前のスタイルですが映画館を備えたりしていたうえMD(マーチャンダイジング)を一変し、広く茨城県まで商圏を持つショッピングセンターに変身させました。年間来店者数は全国2位の2900万人です(ファッション販売5月号より)。結果として柏市は商業都市としてさらに発展し、以前は中距離の普通列車の通過駅だったところを特急停車駅にまで押し上げ、周辺都市の宅地化がいっそう進んだという、とても大きな力を持つディベロッパーです。そごうは以前の面影も無く今はビックカメラが半分使っています。大宮そごうと同じパターンです。

この東神開発が新しいショッピングセンターの開発に着手しました。柏市のお隣、千葉県流山市で、今年8月に開業したばかりのつくばエクスプレスと東武野田線の乗換駅「流山おおたかの森」駅前です。柏駅とは野田線で2駅しか離れていません。しかし新駅ということもあり、車での買い物は少々大変な柏駅前とはちがい、車での来店も鉄道での来店も期待できるロケーションです。

あっちもこっちもモール型ショッピングセンターばかりという印象です。しかしこれだけ雪崩を打つように各社がモール型ショッピングセンターに注力するのは、一言で言えば、儲かるからなのです。イオンモールの営業収益は420億円ですが経常利益は132億円も上がっているのです(2005年2月期予想段階)。たとえばイオンに買収されたマイカルなどは7000億円以上売り上げてやっと150億円くらいしか利益が出ないのです。ジャスコもイトーヨーカドーも同じでGMS(総合スーパー)という業態ではあまり利益が出ていません。イトーヨーカドーの看板が最近変わってしまったのはコンビニのセブンイレブンのほうが利益も出るし株価も高く、親子が逆転していたため持ち株会社化したことによるものです。

東神開発は、数は少ないものの非常に質の高いショッピングセンターを作ってきました。流山でどのようなショッピングセンターを作るのかは注目です。しかも隣の「柏の葉キャンパス」駅に「ららぽーと」などを作ってきた三井不動産が07年春を目標にショッピングセンター開発を進めています。どんな展開になるのか、川口以上の激戦になりそうです。

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