今そこにある幸せ
選挙が公示になって、外がうるさくなってきました。新聞もいろいろな分析を載せるので、あまり影響されないように(思想的にと言う意味でなく、考えすぎで体調を悪くしないようにと言う意味で)と思っているのですが、つい他の新聞や、街中の店などにあるテレビにどうしても目が行ってしまいます。
そのなかで街の有権者の声と言うのが毎回載りますけれど、「景気を良くして欲しい」「不景気だから」というコメントをする人が必ずいて、それをメディアも必ず取り上げますけれど、統計的には今不景気では無いんですよね。景気はいいです。時々書いていますが、川口のマンションなんか飛ぶように売れているようです。地上げがさかんです。都心部も高層ビルがにょきにょき建っています。これは東京の話だけではなく、札幌でもやたらめったらマンションが建って、それが景観に影響を与えると言うことで争議になっていたりします。九州では新幹線効果でJR九州が発足以来初の黒字を確保したと言います。全国的に雇用も改善しているし、消費支出も伸びているんです。
不景気は言い訳に過ぎません。
いろいろな考え方があることを尊重する中で、じぶんの意見として一つ言わせてもらうと、共産党は本当に何をしたいのかわからないです。増税反対、大企業や金持ちや高い地位の人間から税金を分捕れということのようですけれど、それは裏を返せば大企業や金持ちや高地位に対する憧れでしょう?果たして大企業や金持ちや高い地位が共産党支持者に幸福をもたらすんでしょうか?
以前取り上げた「べてるの家」鳩ヶ谷雑記: べてるの家.の本を最近また読んでいるのです。その本を読むたびに思わせられるのですが、精神障害者あるいは精神疾患以外の不治の病にかかった人は今までのような「上を目指す」生き方が出来なくなります。「以前出来たのだから」といって頑張るのですが、そのたびに症状を悪化させたりして挫折してしまいます。生きかたの転換が必要なのです。
別に貧乏を奨励するわけではありません。ただ障害によって目も見えなくなり手の感覚も失った人が、舌で点字を読むことを覚えて本を読める幸せを味わったり、手の不自由なひとが口や足で素晴らしい絵をかいたりと言う話題、皆さんも一つや二つ見たり聞いたりしていると思います。「べてるの家」にいる人々は病気を治そうとはしません。病気とつきあう中で、幸せを見出して生きます。それは右肩上がりの何かを達成し続ける生き方ではなく「降りていく」生きかたです。地位や学歴と言った衣を脱いでいくことで無理の無い自分自身と出会い、その価値観を仲間と分かち合いながら「弱さ」をむしろ力として生きていく。これは障害者として脱落した人だからその傷の舐めあいをしているのだろうとうがった見方をする人もいるでしょうがそうではありません。人間として本質的に生きるとはどういうことかを見つめざるを得ないのです。そこから得られた発見がビデオや本になってちまたの人に紹介されているのですが、見たり読んだりした人は病気に対する理解よりも人間としての生き様に気づかされることが多いといいます。
なんでも国に政府におんぶに抱っこではなく、自立した生き方をする、そこに福祉がさりげなくサポートする。そういうあり方が今求められている気がします。国におんぶに抱っこだった地域、例えば九州の筑豊などは炭田が無くなった後、公共事業でつないでいるうちに自立することを忘れてしまいました。仕事といえば公共事業になってしまった、そういう土地は待ったなしで自立を求められるのですから本当に大変だと思います。でも、無い袖は振れません。郵政造反議員の代表である亀井、堀内、綿貫のいずれの年齢も60代以上、中には任期中に80になる人もいます。こんなひとに将来を任せられますか。
イデオロギー対立の時代は終わりました。今日ある候補が地方都市での演説で「東京対地方」の決着をつける選挙だと言っていましたがこれもおかしい。地方にお金を持ってきて新幹線や高速道路を作って豊かになったんでしょうか?主に県庁所在地の都市だけが大きくなって過疎地はさらに寂れているのではありませんか?都市と地方の問題は地方のなかの都市と過疎地の問題になっているのではありませんか?何でも東京に原因を求めるのは大企業や金持ちに原因を求めるのと同じ構図です。
足元にある幸せをもっと掘り起こしましょう。それは人とのつながりであり、分かち合いであり、支えあいです。それが壊れかかっているから「べてる」が脚光を浴びるような気がしてならないのです。幸せは今すぐそこにあって、あとは認めればいいだけのような気がしてなりません。それさえ出来れば政府なんか小さいほうがいい。大きな政府に福祉や公共事業をおんぶに抱っこされるのは、自分は早くやめたいです。
| 固定リンク
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- 中国は民主化が先(2010.02.07)
- NYLONKON(2010.02.01)
- ブラックフライデー(2009.11.26)
- 日本の住宅バブルにも影(2008.04.03)
- 銀行が博物館に入る日(2008.02.28)
「オピニオン」カテゴリの記事
- オバマ氏勝利(2008.11.06)
- 地方経済の実情(2008.11.05)
- 日本人の精神年齢(2008.08.10)
- 財政赤字による子ども虐待(2008.05.03)
- 山梨で起こっていること(2008.04.11)
「べてるの家」カテゴリの記事
- 生きづらさに向き合って(2016.06.27)
- やっぱりべてる(2013.09.21)
- やればできるさ(2013.02.03)
- こころとからだ(2012.10.25)
- ベベフィールド(2012.08.01)
コメント