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2005/08/11

32条死守へ

いつも情報が素早いがちゃぴん。さんのめんたるへるしー BLOG:障害者自立支援法案:再提出へ 1割負担の骨格は変えず.によると、尾辻厚生労働大臣は廃案になった障害者自立支援法案をほぼそのまま再提出する意向だそうです。しかも法案成立に並々ならぬ意欲を示しているとか。

7月7日の日経新聞に小さな記事ですがこんなのが出ていました。


<統合失調症再入院、訪問看護で減少・・・厚生労働省研究班調査>
 看護師らの精神科訪問看護を受けることにより、統合失調症患者の再入院日数は4分の1に減り、医療費も2割削減することが出来たとする調査結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・萱間真美聖路加看護大教授)が7日までにまとめた。
 萱間教授は「訪問看護が、患者の社会的生活継続を支える大きな柱になるのは明白。効果やケア内容に関する研究を進め、全国的な体制を整えるべきだ」と訴えている。


統合失調症の患者さんでも、サポートがあれば入院する必要は大きく減るんですね。こうした努力が精神科病床7万床削減計画を進める上でとても大事だと思います。入院患者が減れば医療費は大きく削減できます。現状でも社会的入院(退院することが出来るのに地域で受け皿が無いために、あるいは差別・偏見の為に入院せざるを得ない)が大きく減って医療費削減につながります。ただ精神疾患は一般的な雇用条件で働くことはとても困難です。通院医療費の公的補助によって経済的にもサポートする必要があります。入院に掛かる医療費と比べれば通院医療費の公費負担のほうが結果的にトータルの医療費はずっとずっと減らすことが出来ます。ノーマライゼーション推進の観点からも好ましい方向では無いでしょうか。

さらに社会的受け皿があれば、もっともっと精神障害者は自立していけます。

故小倉昌男さんがヤマト福祉財団の柱として進めたのが、以前から何度も名前だけは出している「スワンベーカリー」と言う取り組みです。小倉さんは「1993年に財団を設立した当初、私は財団の寄付目的として『障害者の自立と社会参加に関する活動に対し幅広い援助を行い、障害者が健康的で明るい社会生活を営める環境づくりに貢献することを目的とする』ときめた」そうです。そこで目に付いたのが授産施設の現状です。はし袋にはしを入れる作業やバザーでしか売れない工芸品などの製作で障害者が受け取れる「月給」は1万円。これは福祉の施設に関わっている人が、福祉の知識はあっても経営のことは知らないからだとお考えになりました。そしてこの人たちに経営の知識を与える為に、ヤマト福祉財団の事業として「経営パワーアップセミナー」を毎年開催。常に想定以上の受講者があるといいます。障害者認定を受けている人であれば7~8万の収入があれば、障害年金とあわせて相当自立した生活を送ることが出来るのです。そしてご自身でも「スワンベーカリー」というお店を運営することで、障害者雇用に一石を投じてきました。

「スワンベーカリー」についてはまた詳しく取り上げたいと思います。とりあえず興味のある方は「はばたけスワンベーカリー」(牧野節子著 汐文社) 「福祉を変える経営」(小倉昌男著 日経BP社)をお読みになってください。

以前の記事でも書きましたが「うつ病」と「統合失調症」は突き詰めると明確に違う病気とはいいにくいのです。「統合失調症」の場合はたいてい障害認定を受けることが出来ます。すると障害等級によっては障害者年金をもらえます(ただ金額は自立するのはちょっと足りない金額なんです)。でも「うつ病」ではめったに障害者認定を受けることが出来ません。しかし働けないひとが多くいるので、こうした人は生活保護をうけるケースが多いです。井ノ瀬珠美さん(いのたまメンタルヘルス会議室:リンクがさいどばーにあります:を主宰)曰く、精神疾患の患者の間で「せいほ」といえば「生命保険」ではなく「生活保護」のことを言うとか。そのくらい生活保護でしのいでいる人が多いのです。ノーマライゼーションが本格的にすすめば、こうした人々が生活保護の段階(生活費全部を支給するものから、医療費だけを支給するものまで、様々な段階があるんです。これも社労士を勉強して知りました)が軽くなって、トータルの社会保障費の削減につながります。

このように障害者自立支援法によって歳出を削減するより、効果的な方法がいくらでもあるのです。にもかかわらず尾辻厚生労働大臣の態度は頑なです。通院医療費「1割負担」と、支給範囲を縮めることに固執しています。

せっかく一度廃案になった「自立支援法案」。時間が稼げます。自分は今度、この32条がいかに精神疾患を患う人の支援策として意味があるかをNHKや新聞社に投稿してみたいと思います。「自立支援法案」がマスコミで取り上げられる時、「うつ病」でも適用された32条が廃止になるということまで突っ込んでいる報道機関はNHK含め皆無です。自分の調子とにらめっこしながら投稿文をひねってみたいと思います。昨日のあのながーい記事を書いて、自分だったらうまく表現できるかも(もちろん昨日みたいに冗長なのはだめですが)と思っています。

32条死守へ、動いてみます。応援してください。

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コメント

なんちゃんさん、トラバありがとうございました!
せっかく廃案になり、一安心された方が多かったのに...
どうにかならないものなのでしょうか...

なんちゃんさんが記事に挙げられた
「スワンベーカリー」は私もつい先日、
企業の福祉貢献について調べた際に知りました。
詳しく知りたいなぁと思っていた矢先に
なんちゃんさんが取り上げてくださったので
とてもうれしかったです!

投稿: がちゃぴん。 | 2005/08/11 19:42

TBありがとう。

投稿: とし坊 | 2005/08/12 11:37

がちゃぴん。さん。コメントありがとうございます。
せっかく廃案になって時間稼ぎが出来るのだから、なんとかこの法案のひどさを訴えたいですね。メディアの報道を見ると賛否両論を取り上げるのはいいのですが、その反対側の視点に32条廃止という一般の人にも身近な(うつ病にかかる可能性は誰でもあると言うことで)問題にフォーカスが当たらないのは全く情け無いです。

投稿: なんちゃん | 2005/08/16 22:05

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