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2005/06/04

NPT決裂

先週も日経夕刊に出ていた上智大学の猪口邦子教授のコラムを取り上げました。サンガレン以前にダボス会議を知らない方も大勢いることでしょう。それは仕方ありません。

じつは次の週6月1日の記事もとても興味深い物でした。長くなりますが引用してご紹介します。


 核軍縮の為のNPT(核拡散防止条約)再検討会議決裂のニュースを、東京の研究室で聞いた。外交現場から引退して1年。大使として力を尽くした多国間軍縮が暗転していくのを哀しみをもって知る。
 かつて似た報道に研究室で接したことがあった。2001年12月、生物兵器禁止条約の再検討会議が米国と非同盟諸国の激突で決裂した。数ヵ月後、軍縮大使に任命されその再検討会議のやり直し会議の政府代表を務めた。
 外交現場でまず発見したことは、日本が主導権をとらない限り、世界の軍縮は進まないということである。軍縮とはそもそも、世界が夢中になるテーマではないが、被爆国日本には推進役としての特別の役割がある。その会議でも、NPT会議と同様、米国と非同盟諸国の急先鋒が対立し、初日から決裂。会議は空転し、米政府交渉官ランドメーカー国務次官補は帰国便の予約を早めたとも言われた。
 当時は炭そ菌事件などが相次ぎ、テロの脅威をたつ使命を感じて、議長国ハンガリー等と水面下で条約強化案を調整した。米国は非同盟諸国側との一切の交渉を拒否していたが、日本大使公邸でなら応じるという。対立する全員が私の公邸に会して調整案を検討し、24時間後、全会一致で条約強化文書が採択された。それは今でも機能し、生物テロは発生していない。
 先の大戦を思えば、生物兵器禁止のために日本大使が腐心するのを中国に見てもらいたいという密やかな思いもあった。日本主催の会合では、中国大使の席は常に私のそば。中国は静かに非同盟諸国への影響力を発揮し、世界が見た久々の多国間軍縮交渉の妥結を支えてくれた。


このコラムを読んで分かるのは、日本には他の国にはまねの出来ない役割があるという事です。その役割を遂行することで周辺国をはじめ世界に寄与することが出来るという事です。必ずしも自衛隊を他国に派遣するばかりが国際貢献ではないという事です(それも必要かもしれませんが、今の自分の中ではその件に関していいとも悪いとも結論が出ません)。

対中国に関しては、日本の排他的経済水域とつながる地域での天然ガス掘削、沖ノ鳥島は島ではなく単なる岩であるというような見解を一方的にを表明するなど、日本の反発を招いています。自分もそこはきちんと日本としての筋を通すべきだと思いますが、だからといって対中関係を悪化させるべきではないです。それは単なる二国間問題にとどまらず、日本とも中国とも関係の深い東南アジア諸国にも悪影響を及ぼすでしょう。実際東南アジアの首脳からはそうした懸念が表明されています。小泉の、そして外務当局の大局的な判断によって、結果的に日本の国益が守られる、さらには真の意味で国際的リーダーシップを取れる国になれば、おのずと国連常任理事国入りの問題にも光がさすのではと思います。

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