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2005/02/04

アダルト・チルドレン

アダルトチルドレン(AC)は多くの人に誤解されている概念です。大人になりきれない子供の大人と誤解している人が多く、かつて自分もそう間違えていました。実は逆で子供のうちから大人のように家族の精神的支柱を担ってしまい傷ついた人のことなのです。

もともとACは親がアルコール依存症で家庭崩壊していて、子供が親の介抱をしたり世話をしたりと親子の役割が逆転している家庭の子供のことを指しました。ところが時間がたつにつれて、親がアルコール依存症ではないのにACの特徴を持つ人が次々と現れ、それとともに「機能不全家族出身のアダルトチルドレン」と言う考え方が生まれました。


  

家族が機能不全になるには様々な原因がある。アルコールや薬物依存症のほかにも、経済的な事情、つまり父親が失業や借金をして家計が苦しいとき、父親が仕事に熱中しすぎたり、浮気をして家に帰ってこず、家族を省みないとき(これが母親だったり、両親ともにそうだったりする場合もあるだろう)、家族の誰かが大病をしたとき、夫婦間または子供の虐待があるとき、夫婦の仲がうまくいかないときなどだ。
  だが根本的な原因は親の人格が未熟なことである。親が健全な成熟した大人でないから、飲酒やギャンブルをやめられなかったり、親としての自覚が足りずに家族を省みなかったり、夫婦の仲がうまくいかなくなったりするのだ。(なぜいつも、あなたの恋愛はうまくいかないのか・アダルトチルドレンの恋愛と結婚の神話、学陽書房1999年)

これを読んで誤解していた自分が実はこのACであることに気づくのですが。

ACは自己評価が低いのが特徴です。自分を責め続けていて、しかし責めている事に気づかなかったりします。周囲に評価されないと満足できず、過剰にがんばって疲れてしまったりします。

満たされなかった子ども時代の欲求(これを心の中にいる自分の子どもと言う意味で「インナーチャイルド」といいます。ACの場合このインナーチャイルドが凍えていたり、苦しさを訴えていたりします。これはカウンセリングを受けないと認識できないので、医師による投薬中心の治療では限界のある部分です。)を自分が親になって慰めてあげることが必要です。また自分がそういう心の傷を持っていることを自覚しつつ、自分自身の家族を持つことも必要です。ただ自覚なしに結婚したりすると、機能不全家族を再生産することが多いといわれます。

もしこれを読んでいる方でACの縛りから抜けられない方は、自助グループに参加するのもひとつの手かと思います。ACの自助グループはいくつかあり、他の自助グループと同様自分の自己紹介をすることなく自分の体験を話したり人の体験を聞いたりする中で解決策を模索するものです。

JACA(日本アダルトチルドレン協会)
アダルト・チルドレン・アノニマス(ACA)
ACODA(アダルト・チルドレン・オブ・ディスファクショナル・ファミリーズ・アノニマス
EAインターグループ

また、カウンセリング機関としては
IFF~斎藤学によるメンタルケア・トラウマ治療
などがあります。

自助グループを活用するに当たっては、自分に合う・合わないがあるのでいろいろ参加してみて合うグループを見つけることと、自分より重い人たちが多いと感じたらむしろ参加しないほうがいい場合もあるということを頭に入れておく必要があります。またカウンセリングは何度も書きますように保険が効かないので、2~3回で解決しない場合結構な額の出費になります。カウンセラーがどのくらいかかるか明示してくれることは少ないですから(明示するのが症状しだいで難しいからですが)自分のお財布と相談する必要もあります。

ひとまずこのくらいでしょうか。補足がありましたらコメントいただけると幸いです。

こちらもごらん頂くともっと理解が深まるかと思います。
インナーチャイルドとの再会。気づき。|ACで死別シングルママの鬱・PD克服記


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コメント

plainです。記事を紹介していただいてありがとうございます。うれしかったです。こちらの記事を拝見してとてもわかりやすく、客観的に述べられているのに感心しています。アダルトチルドレンについてより多くのひとが知り、理解し、そのことがその人自身のしあわせに繋がればいいですね。またお邪魔します。

投稿: plain | 2005/02/06 18:48

plainさん、ようこそいらっしゃいました。このことは一度記事にしないとならないなとブログを作った当初から思っていました。plainさんのおっしゃるように自分がACだと気付いていない人が生きづらさを感じている時、気付きのきっかけになってくれると良いですね。なんて弱小ブログですからそんな機会もないでしょうが。plainさんの自己紹介の記事を読みました。ほんとうにつらい思いをされてきましたよね。これからの人生の中でうまく昇華されていくと良いですね。

投稿: なんちゃん | 2005/02/06 23:59

こんばんは!!
ブログにコメントありがとうございました^^
読ませて頂きました。
アダルトチルドレンって、そういう意味だったんですね。
知りませんでした。
言葉だけ聞いた事があったので、ダンスの先生(事情をよく知ってて相談にのってくれる先生)に、「最近アダルトチルドレンてよくいうでしょ?私の家もそれっぽいんだけど、私も将来アダルトチルドレンになっちゃうの?」って聞いた事があって、その時に、「目標があれば大丈夫だよ。mimiには夢があるじやん。大丈夫だよ」って言ってくれた事があって。
そのときはそうかぁーと思っていたけど、めちゃくちゃ勘違いですね><
将来なるもならないじゃなくて、そういう状況で育って来たひとのことをいうんですね。
今知れて、よかったです。ありがとうございます^^
ゆっくり知って行きたいです^^
また寄らせて下さい。よろしくお願いします^^

投稿: mimi | 2005/06/08 02:38

mimiさんようこそいらっしゃいました。2重投稿になっていたのでひとつ消しておきますね。

アダルトチルドレンの言葉の意味、知ってもらえてよかったです。自分も当てはまるとか言われると、「大人になれない子ども」なのかなーと心配になりますよね。

ダンスの先生もいうようにmimiさんは夢があるから大丈夫だと思いますよ。ただACであるために、時には人よりつらさを感じたり寂しさを感じたりすることがあると思うんです。それでも決してダメなことは無いので自分を信じて、ゆっくりゆっくり歩いてくださいね。自分もそうしています。

コメントありがとうございました。

投稿: なんちゃん | 2005/06/08 13:41

こんばんは!!
お返事ありがとうございます^^
ブログのコメントうれしかったです。
2重投稿ごめんなさい><押し過ぎてしまいました。
自分を信じる、大事ですね。私はあれもできない、これもできない、あぅ〜(焦る)がよくあるので、大丈夫だ、って心から思えるようになりたいです。
昨日もブログでコメントをたくさん頂いたのにかえせなくて焦っていて今日は一日ブログをお休みしました。
でも今日はいいことがありました^^
最後まであきらめないことだよ^^って、友達からメールが来て、励まされました。私も誰かにとってのそんな存在になれたらいいなって思います^^

投稿: mimi | 2005/06/15 03:55

mimiさん、こんばんは。コメントありがとうございます。

自分も「あれもできない、これもできない、う~」と言うのがよくあるので、とても分かりますよ。

ブログの更新やコメントはみなさん待ってくれると思うので、無理せずに。友達を励ますのも、自分が調子いよいなと言うときだけで良いと思いますよ。mimiさんのブログをみていると、とてもスピーディにいろいろなことを処理しているので、逆に「大丈夫かな」と思ったりもします。

近日中に看護師さんへのエールを書こうと思っているので、よかったらまたのぞいてください。

投稿: なんちゃん | 2005/06/16 00:00

夫がACであるようなのですが、その自覚がなかったために、25年間の結婚生活に支障をきたしてきました。
加藤先生のメリットより、こちらにきました。
時々、コメント読ませていただいていました。
これから、少しずつ勉強していきます。
よろしくおねがいいたします。
わたしは最近パセリの名前にてブログはじめました。共依存症からの回復をめざしています。始めたばかりで、不安ですが、よろしくお願いします。気が向かれましたら見に来て下さい。公言してませんが水井=パセリです。

投稿: パセリ | 2005/11/03 18:26

先程、URL入れるのを忘れてしまいました。
どうも、すみません。

投稿: パセリ | 2005/11/03 18:29

パセリさん、ようこそいらっしゃいました。

パートナーが自覚の無いACで、ご自分もACの予備知識が無かったら・・・本当に大変なことだったと思います。

斉藤学先生は家族機能研究所を立ち上げJACAともつながりがあるようで、ACに関しては相当の知識と経験のある方だと思います。少しずつでしょうが、今までのわだかまりが消えてゆくといいですね。

ブログのほうもお伺いします。コメントありがとうございました。

投稿: なんちゃん | 2005/11/04 23:15

あたたかいお言葉、ありがとうございます。
わたしも共依存症であるということを自覚致しましたのは、つい一年半前のことでした。

時々ぶちぎれ状態になる夫のことも、自分のコミュニケーション能力の欠如であると思いこんでいました。夫が、自分自身の両親を、あまりに悪く言ったり、いやがる様子が、理解できませんでした。
いろいろ、これまでのことを知ることも大切すが、なによりも「今、これから」の生き方をめざしたいです。わたしの周りは夫も含め全員医療関係者です。

投稿: パセリ | 2005/11/05 10:14

ヨゼフを知らない人、なのかどうか、まだわかりませんが・・、ヨゼフを知るひとのほうになってほしいです。

パストラル・ケア全国大会。わたしもどこかにいます。

投稿: パセリ | 2005/11/05 10:17

パセリさん、こんにちは。

上手にかけないかもしれませんがご容赦。
ご主人が親のことを悪く言う、それが理解できなかった・・・と過去形でおっしゃっているのが自分には涙が出るくらいうれしかったです。自分も親に対する嫌悪感は相当なものですが、親子関係が順調だった人にはまったく理解不能のようなんです。友人でも自分に対して親の話しをするのは地雷を踏むようなものだと思っているようで避けて通ります。共感できなくてもいいから、親のことを罵倒せざるを得ない人も中にはいる、それくらいの感覚で受け止めてくれるだけで気持ちが休まります。おそらくご主人もそんな感じではないでしょうか。

書き上げられるかどうか分からないのですが、昨日べてるの家に関する著作のあるもと記者の方が書かれた教育関係の本を読んでいたら、親が子ども時代にされていたことを無意識に自分の子どもにも強要しているケースというのがものすごく多いようで、親がACの場合は特にそうらしく、読んでいてつらくなってしまいました。自分の生い立ちを振り返るということをやるのは意味があると思うんですね。西丸せんせはいつまでも過去にこだわるのはよくないと書いていらっしゃいますが、でも一度は必要なことだという気がしています。

これだけお話できるんですから、もちろんパセリさんは「ヨセフを知る一族」ですとも。

投稿: なんちゃん | 2005/11/06 11:29

追伸
臨床パストラルケア全国大会、お互いに匿名同士でかまわないのですが、自分は土曜日の夜行バスで行きます。たぶん会場で一番こ汚い身なりをしているのが自分なのでは・・・と想像します。しんぞう先生にご挨拶するのを楽しみにしています。もしお差し支えないようでしたらご挨拶しましょう。

投稿: なんちゃん | 2005/11/06 11:35

なんちゃんさま。
了解です。
会場には早朝、お着きになるのですか?
わたしは、ブルー=水色のショールを手に持って,開場時間の1時間前位から、出入り口をうろうろしていることに、いたします。どうぞ、お声を掛けて下さい。母も同行していますが、構わずお誘いください。宜しくお願いいたします。

投稿: パセリ | 2005/11/06 12:22

わたしは、ふたりの息子を(23才と20才)育てました。
あまり、ご自分に対して、厳しくお考えには、ならない方がいいとおもいますよ!

子育ては、自分育て。というのは、ACに限らず、誰だって,そう、なのだと思います。
うちの息子たち、、精神科志望なのには、ちょっと、複雑な思いもいたしますが。大丈夫そうです。また、機会がありましたら、コメントいたします。 

投稿: パセリ | 2005/11/06 12:33

パセリさん、こんばんは。

子育てというのは自分育て・・・。本当にそのようですね。子どもから教えてもらうことというのはとても多いようです。自分は本で読む限りの知識しかありませんけれど・・・。エリクソンやシュタイナーといった子どもの成長に非常に詳しい人々のことも本当に最近知りました。彼らの教育論の実践は子どもにとって好影響があるのでしょうが、最終的には「親は無くとも子は育つ」、子どもが自分で掴み取っていくもののほうが多いのかもしれません。

投稿: なんちゃん | 2005/11/08 23:57

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