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2005/02/15

ソフトバンクの求人広告

今日、いつもの通り地下鉄に乗ったら「ソフトバンク会社説明会」の広告が中吊りされていました。それを見ていろんな思いが渦巻きました。

昨年ソフトバンクの子会社「ヤフーBB」が仰天するほど大量の個人情報流失事件を起こしましたが、自分はさもありなんと思っていました。というのもあの会社は末端の業務が請負会社に丸投げされていたんです。

自分はおととし、まだ無理をして短期の仕事を派遣会社からもらっていました。このとき派遣業界では「ヤフーバブル」とでも言うような現象がおきていました。「エムティアイ」と言う会社と「ネクシーズ」と言う会社がソフトバンクから仕事を請け負い、「ヤフーBB」の勧誘電話を全国へかけるため膨大な数の人集めを派遣会社に依頼していました。まず自分が派遣会社から紹介されたのは「エムティアイ」で、新宿の高層ビルの一室と池袋サンシャイン60の一室から、全国各地の電話帳を基に作られたリストからしらみつぶしに営業電話をかけまくりました。留守や応答なしの場合は三度でも四度でも、つながるまでリストが回されました。自分は池袋班でしたが300人の人間が9時から21時まで延々それをやっていたのです。新宿でも同じ規模で行われていたようです。もちろん300人全員が9時から21時まで働いたわけではなく早番遅番がありましたし自分の場合週3回契約でしたから、総人数は池袋だけで1000人以上いたでしょう。一社で集めるのは到底ムリで、10社以上の派遣会社が関与していました。もうとりあえず受け答えが出来れば良いという感じで、身だしなみ・服装はぼろぼろのフリーターが大勢いました。さらにブースごとに統括をする人間(SVと呼ばれます)も、自分らより5~600円高い時給で雇われたアルバイトでした。何か分からないことがあると手を挙げてSVに指示を仰ぐのですが、自分が会社勤めをしていた頃のビジネスマナーなどおよそ存在しない場所でした。自分はマニュアル通りのせりふをロボットのように言っていればよかったのです。

次にまわされたのが「スリープロ」と言う技術面をサポートする会社でした。たった3日の研修の後、ADSLの接続についての問い合わせ電話に次々と答えました。2ヶ月やりまして、おかげさまでネットワークの基礎知識を身につけることが出来ました。なんだかお客さんに教えてもらっているような感じでした。それでもPINGも飛ばせるようになりました。ここはそれほど大人数ではありませんでしたが・・。

その次が「バーチャレクス」。新宿住友ビルの大きなフロアで料金に関する問い合わせ(クレームが主)に答える作業でした。ここでは池袋と似たような光景が繰り広げられていました。ワンフロア150人ほどの人間が料金やその他の問い合わせに対応していました。それが2フロアありました。ここで仰天したのは、契約者の個人情報に勝手にアクセスできることでした。料金センターでは顧客の情報をパソコンから呼び出して問い合わせに答えるのですが、コールセンターと言うのも小売業と同様波がありまして、息つく暇もない時間と手の空く時間があるのです。そこで手の空く時間に試しに自分の事も記録されているのかなと、おそるおそる操作してみると、や、出るではないですか。自分はヤフーのADSLには一度加入したもののあまりにもひどい応対に我慢ならず、1日で解約していたのです。それが解約者情報として残っていて、派遣社員が勝手に見ることが出来るというセキュリティ体制に空いた口がふさがらなかったのを覚えています。

料金センターでもうひとつ腹が立ったのは、紛らわしい広告にまつわるクレームが多かった事です。今でもそうですが、彼らは「最大3ヶ月無料」といった言い方をします。消費者にしてみれば3ヶ月は無料なんだなと思うのが自然でしょう。ところが「最大」というのが曲者で、加入した月を含めて月単位で数えて3ヶ月なのです。ですから極端な例では2ヶ月と1日だけが無料だったという人も出るのです。これにまつわるクレームが山のように来たのですが、自分も「こんなもん、会社が悪い。消費生活センターはなぜ何も言わないのか」と思いつつ電話口では平謝りで、ただ課金されたものは払っていただくの一点張りなので本当に参りました。

それぞれの部屋はもちろん厳重に管理されていまして、出入りには毎週変わるパスワードを入れたり、磁気のIDカードを通したりと言う作業が必要でした。しかしこれだけいっぺんに大勢の人間が出入りするのですからどうしようもないですね。やめるまでの期間も短く、部屋ごとに一人だけいたソフトバンクの正社員はおろか請け負った「バーチャレクス」でもどんな人間がいついたか把握し切れなかったでしょう。結果的に自分のような立場の派遣社員でコンピュータの知識に詳しいものが、本来アクセス制限されている管理者用の画面から個人情報を抜き取ったということのようです。

ソフトバンクは漏洩した個人情報に対し500円ずつキャッシュバックする形で謝罪しました。その結果なんでも外部委託・派遣社員ではロスが大きいと感じたらしく、コールセンター業務を正社員という身分の人間にやらせる方針を打ち出したのです。

中吊り広告を出してまで人を集めるのはそういう理由からだろう、と自分は思いました。しかし今新卒者は未曾有の就職難にあえいでいますから(この理由は後ほど書きます)、この求人には殺到するでしょうね。しかし採用されてもやめる人が多いだろうなと思いました。孫氏の夢に多少なりとも手を貸せるのはごくわずかな人間で、それ以外はコールセンターなどの単純作業に従事するのでしょう。

自分は市外通話の契約を日本テレコムとしているのですが、この会社がソフトバンク傘下に入ってしまい困惑しています。最近出た加入権不要の加入電話「お得ライン」の勧誘でまたADSLのときのように駅前で立ち番営業していたり、ネクシーズが委託を受けて刷っているチラシが舞い込みます。果たして自分の個人情報をあの会社に託していいのか、自分は悩んでいるところです。

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コメント

以前懸賞にハマっていたのですが、
応募すると、ヤフーBBの加入が安くなるとかなんとか、そんなような電話がかかってくるんですよね。
しかも、私は懸賞に応募しただけなのに、
ヤフーBBへの加入申し込みも同時にしたような口調というか。
それがいつも「ネクシーズ」という会社の懸賞であることに気付いて、
その会社の懸賞には応募するのやめました。
何回同じような電話がかかってきたことか。
ヤフーBBへの加入がオプションでなくメインだったんですね、懸賞サイト自体が。

あと、有線の機械のレンタル料が無料になるとか、スカパーのレンタル料が無料になるとか、それが当たりましたという電話も多かったですねぇ。

最近はもう懸賞はやっていません。
いかがわしいんだもの。

投稿: 空猫 | 2005/02/17 20:59

空猫さん、こんばんは。
派遣先で一緒になった人によると「ネクシーズ」は渋谷のとあるビルでやはりヤフーBBの営業電話をかけまくっていたそうです。懸賞がらみで個人情報を集め、リストにしていたのだと思います。
懸賞応募は個人情報と引き換えだと思って間違いないでしょう。管理も会社によってはとても雑で、以前切手収集家の間に、某社の懸賞応募はがきが大量に漏れ出していました。あれをみてから自分も懸賞には一切応募しなくなりましたよ。

投稿: なんちゃん | 2005/02/19 01:57

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