当事者ならでは
これを読んで即座に頭に思い描いたのが日経夕刊昨年12月1日の1面連載特集「そこまでやるか」でした。全部引用したいところですが、出来ないのでところどころ。
「趣味は出産、特技は安産」。自称出産オタクにして「バースコーディネーター」。謎の肩書きの持ち主、大葉ナナコは「痛い、苦しい」と言うイメージを否定する、妊婦のカリスマだ。・・・・・・
ラマーズ法、助産院、自宅出産・・・。切開せず、陣痛促進剤も使わずに。安産のための体操や漢方処方、食事法も一通り試した。このオールラウンダーぶりに「あの妊婦さん、すごいらしい」とのうわさが立ち、看護師が出産の見学に詰めかけるまでになった。
自宅出産が「危険でわがまま」ならば、この人のことはどう評価したらいいのでしょう。5人の子供をもっていて、しかも自然な理想のお産を追うため毎回違うスタイルで生んでいるというんです。ご本人の言うとおり「出産オタク」でしょうか?出産と言うイベントがそんな「オタク」なんて言葉でくくられるでしょうか。この話題、自分が扱うとどうも経験がないだけに部外者の感想みたいになってしまいますが、5人生んでいる人の話ですからね。
第四子の産み方が会心だったという。分娩台であおむけになるのは不自然と、夫に支えられて立てひざをした。これなら重力に逆らわず呼吸も自然だ。
破水の瞬間、金色のフラフープのような輪が体を包み、頭のほうから抜けていった気がした。いきもうと思う間もなく、赤ちゃんは世に出て助産師の手に受け止められていた。「ああ、きもちいい。私は命の玄関だ・・・」
当事者でなければ絶対に味わえない感覚。その感覚によりどころを求めるのはとても自然なことだと思います。自分の友人の友人は出産をきっかけに看護師資格を取り、助産師にもチャレンジしていると言います。自分がうつ病体験から精神保健福祉士を目指しているのと基本的に変わらないではないですか。この大葉さんも「あとに続く者たちを楽に」ただそれだけといいます。助産師にチャレンジしている友人の友人もおそらく同じ思いなのではないでしょうか。
「自宅出産は赤ちゃんにとって危険で迷惑。自宅出産を選ぶ人は赤ちゃんのことは二の次で自分のことばかり考えている。」と言った方がどういう立場でその発言をしたのか分からないのですが自分の子供を生むのに子供のことを考えない人はいないでしょう。産院の都合に合わせて出産時間を昼間に調整される妊婦さんのほうがかわいそうだし、子供にムリはかからないのか。
ま、やはり所詮独身男のものの見方ですかね・・・。
| 固定リンク
「子ども」カテゴリの記事
- 今を生きるということ(2010.02.23)
- 親がすることではない(2009.05.22)
- 「問題」のありか(2009.04.16)
- 問題はあなたです(2009.04.15)
コメント
タイトルだけが一人歩きした感がありますが、『オニババ化する女たち』(三砂ちづる・光文社新書)は、「医療に頼らない分娩」「気持いい出産」をテーマにした興味深い内容でした。機会があれば、ぜひどうぞ。わたし自身はこの本に、賛成の部分もあり疑問をもつ部分もあり、ですが。
男の方がこういうことに関心をお持ちになるのって、なんだか嬉しいです。
投稿: わさび | 2005/01/26 20:26
わさびさん、コメントありがとうございます。以前の仕事の関係もあるのですが、主婦の友達が多いので自然と関心を持ってしまいます。独身男の云々は消そうかなと思ったのですが・・・。ご紹介の本、面白そうですね。ぜひ読んでみたいと思います。
投稿: なんちゃん | 2005/01/27 00:35
出産ネタ出ましたね。私も実は自宅出産も候補に挙げていました。私は安産だっていう自信があったから・・・あとは助産院での出産も良さそうだったんだけど、田舎に住んでいるとなかなか選択肢が少ないのよね・・・私が出産前に読んでバイブルにした「分娩台よさようなら」って本があるんだけど、機会があったら読んでみて。
投稿: くま | 2005/01/29 20:12
くまさん、コメントありがとう。確かに地域格差と言うことはありますよね。それは医療関係の問題全般だと思います。大事なのはお母さんにとって、そして生まれてくる赤ちゃんにとって最も自然で負担のかからない方法が普通に選べることなんだろうなと思います。
投稿: なんちゃん | 2005/01/31 21:59